(……お腹、痛い……グルグルしますわ……ッ)
梅雨特有の、肌にまとわりつくようなジメジメとした湿気。 夢の中のわたくしは、公衆トイレの冷え切ったタイルの床に裸で四つん這いにさせられていました。

新体操で鍛えた柔軟性が仇となり、腰を深く沈め、お尻を高く突き出す屈辱的なポーズが容易にとれてしまうのです。無防備に晒された蕾に、冷徹なノズルがねじ込まれ、得体の知れない大量の液体が無理やり注入されていきます。
(嫌っ、もう入りません……! お腹が、破裂してしまいます……!)
下腹部がボールのように異様に膨らみ、腸が悲鳴を上げています。普段は便秘など無縁の、わたくしの健康的で清潔な腸内が、強制的に波打たされ、汚濁の渦に巻き込まれていきました。
「だめ、漏れます……! お手洗い、行かせて……ッ!」
必死に括約筋を締めて懇願いたしますが、背後の影は許してくれません。 5月よりも影が濃くなり、人間の男の姿をしていることがわかり一安心ではあります。
けれども、その殿方は、わたくしの安産型の大きなお尻をパンパンと無慈悲に叩き、さらに液体を注入してくるのです。
限界です。これ以上は、わたくしの女としての、人間としての尊厳に関わります。 由緒正しい高貴な家柄である一条家の令嬢が、あろうことか垂れ流してしまうなんて。決してあってはならないことです。
(あ、ダメですッ! 本当に出てしまいますわぁッ!)
決壊の恐怖に震えたその時でした。 男はノズルを引き抜くと、栓をする代わりに――あの凶悪なほど太い肉棒をあてがったのです。
(え……? 嘘でしょう……?)
これから汚いものを排泄すべき場所。そこに、男の凶悪な肉棒がねじ込まれてきました。出るはずのものが理不尽に押し戻され、逆流する不快感と、太すぎる硬い異物が侵入してくる強烈な圧迫感。
わたくしの脳はパニックを起こし、ショート寸前でした。
「いやぁああッ! 汚いッ! 汚いのが出てしまいますのぉッ!!」
ズチュンッ、ヌリュッ。
水っぽい、卑猥極まりない音と共に、根元まで一気に挿入されました。腸壁に溜まっていた排泄物とローションが、男根によって無慈悲に撹拌される感覚。不潔です。ありえません。人間として終わっています。 屈辱と絶望で涙が溢れ出しました。
――なのに。
(……あ、れ……?)
お腹の中、敏感になった腸壁のヒダが、太い男根に擦り上げられるたびに、腰から下が痺れるような甘い電流が走るのです。
便意の「出したい」という切迫感と、性欲の「もっと突いて」という渇望が、頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合い、融解していきます。
パンッ、パンッ、パンッ!
男が激しく腰を打ち付けるたびに、お腹の中身も激しくシェイクされます。その衝撃で、限界まで我慢していた括約筋が、ついに決壊しました。
ブリュッ、トロトロトロ……ッ。
男根の隙間から、茶色く濁った液体が噴き出しました。 わたくしは、漏らしてしまったのです。あろうことか、男性器を咥え込んだまま、排便してしまったのです。一瞬、呆然としますがすぐに我に還りました。
(……ああっ、汚いのが出ちゃいますの!出ていますの! ありえませんわぁああッ!)
羞恥心で死んでしまいそうになります。けれども、排泄した瞬間の恐ろしいほどの開放感と、同時に内側を抉られるピストンの刺激が、信じられない化学反応を起こしはじめました。
(――ひぐッ!?)
汚いものが滑り出るヌルヌルした感触が、最高の潤滑油として機能します。苦しいはずの便意が、至上の快感に変わります。不浄の穴が、排泄する喜びと犯される喜びの二つに震え、収縮しているのです。
(いやあぁ、汚いのが出てるのに……擦れて気持ちいいッ……! お尻の穴、ひくひく喜んでいますわッ! 排泄するのが気持ちいい、お尻でセックスするの気持ちいいぃッ!)
わたくしのクールな仮面は、汚物と共に流れ落ちました。 鼻をひくつかせ、白目を剥き、舌を出し、だらしなく開いた口からは涎を垂れ流します。 排泄しながらイくなんて。家畜以下の行為ですのに。
「あひぃッ! もっと、もっと掻き出してくださいましッ! お腹の中の汚れを、その太い棒でかき回して欲しいですわぁぁッ!」
ズプ、ズプ、ブチュウゥッ!
「こわれる、こわれてしまいます……だめ、イキますわぁぁっ――!」
汚濁音と肉のぶつかる音が響く中、わたくしはお尻の穴を犯されて強烈なオーガズムを迎えました。 前からは潮を吹き、後ろからは汚物を撒き散らしながら、完全に人間の尊厳を手放したのです。
(あは……あはは……わたくし、お尻でもイけちゃう……トイレでもイけちゃう変態になってしまいましたわぁ……)
*
――ガバッ、と起き上がる。
梅雨の朝の気怠い空気。 全身、冷や汗でびっしょりです。慌ててお尻に手をやります……濡れていない。シーツも綺麗。あの酷い臭いもしない。
「……最低……ですわ……」
わたくしは顔を覆いました。夢の中の光景があまりにリアルで、お尻の穴がまだヒクヒクと開閉し、太い何かを欲しがっているような幻覚を感じるのです。
何より最悪なのは。
今、強烈な尿意と便意を感じていてトイレに行きたいのに、便座に座って力を込めたら――あの背徳的な快感を思い出してしまうのではないかと期待してしまっていることです。
トイレの個室で、便座に座りながら涙目になりました。 排泄するだけの行為に、期待と疼きを感じてしまっている自分。
わたくしの身体の後ろの穴は、この日からただの出口ではなくなりました。6月の淫夢の中で使われ続け、梅雨が明けて暑い夏が訪れる頃には、男性器を無理なく受け入れられる「第2の女性器」になっていたのです。それでわたくしが絶頂に達することのできる、という意味におきましても。
あくまで夢の中であることが救いでした。もし、実生活でも後ろの穴で殿方のモノを迎え入れられるようになっているのだとしたら……。
この淫夢から、どうやったら抜け出せるのでしょうか?わたくしの肉体が健康になるのと反比例するように、精神は乱れ、落ち込み、限界に達するのも近いと感じていました。