Discipline3:『セックス合宿』での至福 第11話

―これって、もしかして・・・浣腸されているの?―
尻を振ってのがれようとしても、腰をがっちり固定されていて不可能だ。
―なんで?どうして??―
―いったいだれが・・・ナターシャさん!?―

 あわてて後ろを振り返る。ナターシャさんが意地悪そうな表情で、大きな注射器を私のお尻に向けているのが見える。

「ウウーッ!ウウーッ!」
―どうしてこんなことされなきゃならないのっ!?―
―拓海さんも見てるのにっ!恥ずかしいっ!―
―浣腸なんていやぁあっ、いやいやっ!― 
―拓海さん、助けてっ!ナターシャさんを止めて!―

 淫らな気持ちはあっという間に冷め、ボールギャグの隙間から激しく唸ってナターシャさんを威嚇し、拓海さんと目を合わせて中止を訴えかける。その間も注入は止まらず、お腹がごろごろしてくる。

「懲罰だから我慢して受け入れなさい。」
拓海さんの残酷な言葉にうなだれる私・・・でも!

―でも罰はさっき受けたはずじゃあ?―
「ウー、ウー?」
 私の疑問が通じたのか拓海さんが答えてくれた。

「昨日の懲罰がまだだったろうメグ?」
―そういえばそうだった。でも浣腸なんて!しかもナターシャさんに!―
「ウウッ、ウウッ!」
「いい加減うるさいぞ!終わったらギャグをはずしてやるから、それまで黙ってろ!」

 拓海さんの剣幕に懲罰の追加を恐れて唸るのを止める。その間も腸への注入は続き、実際はそれからすぐだったのだろうが私にとっては長い時間が経って、ようやく終わる。

 口枷がはずされるやいなや拓海さんに問いかける。
「どうしてこんなことっ?」
「鞭はイヤだから恥ずかしい罰を受けるって言っただろう。」
「それはっ!・・・そうだけど・・・」
 セックスで忘れていたけど、そういえばナターシャさんに鞭打たれるのがイヤでそんな約束をしていたことを思い出して尻すぼみになってしまう。

「それに風呂で便秘を治す約束もしたしな。」
 確かにそんなこともあったような・・・。多くの女の子と同じように私も便秘に悩まされている。しかも貞操帯をつけさせられてからは我慢することが多くなり悪化していた。

「で、でもっ・・・」
「なにより、だ。」
 私の発言は拓海さんに遮られる。

「お前は俺のマゾ牝奴隷として、口、ヴァギナ、アヌスの三つの穴で俺のペニスを満足させなければならないことを忘れるな。ようやくヴァギナに挿入しても痛さを感じなくなりイケるようになったが、締め付けを強めたり腰の使い方を覚えたりして俺に快感を与えるようになるには、まだまだ訓練が必要だ。
 ファラチオの経験があるとはいえ、お前にはまだ俺をイカせられるナターシャのようなテクニックはない。しかもナターシャと違ってパイズリは難しいから、ナターシャの苦手なディープスロートを磨いたり、フェラで俺と一緒にイけるくらいにならないと彼女を超えられないぞ。
 そんな他の二穴とくらべてアヌスは当然ながら未開発だ。アナルセックスには腸内洗浄とアナル拡張、アナル性感の開発が不可欠で時間がかかる。だから、これからは毎日のように浣腸されてアナル開発されることになるぞ。覚悟しておくように。」

 そんな宣告を聞いているあいだにも、お腹の痛みはだんだんと激しくなり、ゴロゴロ音を立ててしまう。

「そんなっ、こんなのを毎日だなんて、絶対、ぜったいに無理っ!」
「大丈夫だ。今日は懲罰を兼ねてグリセリンを使い量も多めにしたが、明日以降はお湯かイチジクカンチョウで、刺激も弱くなるから安心しろ。」
「で、でもっ、でもっ!」

 そんな先のことはどうでもよかった。お腹がキリキリと痛み、今にも暴発してしまいそうな状況を必死にこらえている今この瞬間を、いったいどうやって乗り切ればいいのか。

「もうダメ、ダメなのっ!漏れちゃうからおトイレに行かせてっ!」
「ん?何を言っているんだ?それでは懲罰にならないじゃないか。お前はご主人様である俺と第一奴隷のナターシャの前で、生きていて最も恥ずかしい姿をさらすんだ。」
「そんなのいや!絶対にいやよっ!」

 額に脂汗をかきながら、ここでしてはいけない理由を必死に考える。ナターシャが第一奴隷なら私は第二奴隷なのかという疑問が頭をかすめたが、そんなことは後回し。

「ここで、そのっ、しちゃったらっ、あと片付けが大変でしょっ?!」
「うれしはずかし初体験で周りがよく見えていないようだな。後ろと床を見てみろ。」

 首を回して後ろを見ると、すぐ後ろがシャワー兼トイレルームで、床をみると私が拘束されている台の後方はそのタイル張りの床の上だ。
「心配してくれてありがたいが、そこでぶちまけても水で流せるから大丈夫だ。お前の身体も俺がしっかり洗ってやるが・・・・」

 言葉を濁す拓海さんに不安が高まる。
「やるが?」
「グリセリンだからな。しかも初めてだから、おそらく便意が治まるまで時間が相当にかかるだろうな。」

 その言葉は私を絶望の淵に追い込む。
「もう、もう、だめ、ダメ、だめぇ、ダメですぅ・・・・」
 そこへ拓海さんの声。
「ナターシャが見ているぞ?」

 そうだった、あんな女に、これ以上恥ずかしい姿を晒すわけにはいかないっ!気力を振り絞って耐えながら拓海さんにお願いする。
「拓海ご主人さまっ!」
「なんだ、俺の可愛いマゾ牝奴隷メグ?」
「あのあのっ、お願いですからナターシャを部屋の外へやって!」
「やって?」
「いえ、やってくださいませっ!」
「どうしてだい?」
「そ、それはっ・・・・」

 彼女に見られたくないからと言っても通じないだろう。
「ナターシャに恥ずかしい姿を晒すまでが罰の一環だよ?それを止めて欲しいなら、それに代わる条件をださないと。」
 やっぱり。もうダメだわ・・・もう限界よ・・・

 と恥をさらす寸前、拓海さんが私のお尻の穴に何かを刺し込んだ。
「もうダメって顔をしていたから、アナルプラグを差し込んで栓をしたよ。これでしばらくは耐えられるだろうから、その間に上手くご主人様を説得してごらん?」

 栓をされたおかげでもう少し耐えられそう。耐えているとピークに達したお腹の痛みがいったん収まった。少し余裕を持って思案する。

「えと、あの、ナターシャさんを外に出していただけたら、明日からのアナル開発、我慢しますからっ!」
「我慢?」
「い、いえ、積極的に頑張りますっ!」
「それは俺に喜んで浣腸されたりするってことかな?」
「そうですご主人様!」
「でもアナル開発は既定の調教路線だからなぁ。消極的に受け入れるのと積極的に受け入れるのとでは効果が違うから交換条件にならないわけではないが、これだけでは条件に満たないな。」
 希望の光が見えた。私は頭を必死に働かせる。さっき拓海さんはなんて言った?そうだこれなら?

「それに私の初体験はすべて拓海ご主人様だけに捧げたいのっ!初めての浣腸も拓海ご主人様にやっていただきたかったのにナターシャさんだったから残念でっ!だからせめて、その、しちゃうところはご主人様だけに見ていただきたいのっ!」

 拓海さんを注視していたから、股間がピクリとするのがわかった。それを見て閃く。アナルプラグで栓をされたこと、拘束台が階段状になっているのはこのためなのね。なんて変態的なのかしら。

「さきほどイカせていただき、ナターシャさんのお手本も見せていただきましたから、その、我慢している間、フェラチオの練習をするためにご主人様のペニスをおしゃぶりさせてくださいませっ!」
 拓海さんは感嘆の表情を一瞬浮かべたが、すぐに無表情を装う。私はそれを見逃さなかった。これならっ!

「無理に我慢しなくてもいいんじゃないのか?お腹が痛いだろう?」
「わたしは拓海ご主人様の奴隷ですから勝手なことはできませんっ!」
 私の返事に拓海さんは大きくうなづく。

「自分の立場も俺のこともよくわかっているじゃないか、素晴らしいぞ!さっきのお前の痴態を見て実は俺も興奮していてな。お前の望みどおりナターシャは外に出させる。その代わり、お前は限界まで便意を我慢して、その間おしゃぶりで俺を愉しませるんだ。それでいいな、芽美?」
「はい、ご主人様!」

 合意が成立し、私の横に立っているナターシャさんに拓海さんが命令する。
「そういうわけだ、ナターシャ。すまんな。」
 悔しそうに私をにらみつけて去っていく彼女を勝ち誇った表情で見送る。彼女が退室すると緊張の糸がほどけてお腹が再度痛み出す。

 拓海さんが服を脱いで拘束台の三段目に座り、私の目の前に勃起しているペニスをさらす。だめ元で最後の交渉。
「あの、もうひとつだけお願いが・・・」
「なんだい?」
「もし私が我慢している間に、ご主人様をイかせることができたら・・・」
「ふむ?」
 奴隷のくせに僭越だと懲罰を与えられてしまうかもしれないと思いながら、こわごわと口に出す。
「ご主人様も、部屋を出ていただけませんでしょうか?」

「いいだろう。お前が熱心にしゃぶってくれれば俺も気持ちがいいしな。だがさっき一度イっているし、お前の今のテクニックでは厳しいぞ。」
「そうですね、でもがんばります!」

 難しいことはわかっていたが、失敗したときに条件をつけられたわけではないのだから、分のよい勝負だ。ただ時間も少なくテクニックに乏しい私は、最初から全力を出す必要がある。
 眼前のペニスにチュッとキスをし、パクリと咥え込むと、感じやすい箇所だという口内の亀頭とカリ、裏筋に猛然と舌をまとわりつかせる。

「おおっ、なかなかいいぞメグっ!」
 口内の肉棒がピクリと動き、硬さと存在感が増す。その反応に光明を見出し、やみくもに舌を動かし続ける。鈴口から少ししょっぱく、ねばつく液体が出てきたけれど、それ以上の反応はない。わたしのお腹がシクシクと痛みゴロゴロと鳴る。焦りが汗となって頬を滴り落ちる。

「同じことを繰り返すのも悪くはないが、今は時間がない。ナターシャがどんなことをしていたか思い出して真似してみたらどうだ?」
 そんな私に拓海さんがアドバイスをしてくれる。

 ナターシャはどうしてたっけ・・・ペニスを褒めたり・・・鼻を鳴らしたり・・・唾液を垂らしたり・・・パイズリしたり・・・音を立ててしゃぶったり・・・飲ませてくださいって言ったり・・・最初から最後までさっと思い返して、その中でやれることを真似してみる。

 ペニスを吐き出し、拓海さんと目を合わせて瞳をうるうるとさせながら囁く。
「拓海ご主人様のペニス、固くて、太くて、とっても逞しくて素敵です♡」

 口を尖らせて、肉棒のあちこちにチュッチュとキスをする。
 口内に溜めた唾液を垂らし先程よりも深く咥える。
 ムフンムフンと鼻をならしながらジュボジュボと音をたてて激しくしゃぶる。
 あっ、口内のペニスが硬く大きくなった!

「上手いぞメグ!先ほどの交渉術でみせたセリフといい、その飲み込みの速さといい、お前にはやはり素晴らしいマゾ牝奴隷の素質があるな!」
 そう言って頭を撫でられる。こんなことを言われても嬉しくない。でも、私の口は勝手にお礼の言葉を紡ぐ。
「お褒めいただきありがとうございます、ご主人様♡」

 鏡面壁に映る私の顔には、男に媚びるメスの笑顔が浮かんでいる。
―男に奉仕して、セックス奴隷の素質があると言われて、喜ぶマゾメス―

 笑顔の下には赤い首輪とそこから伸びる鎖。その先には裸でアクリル製の透明な拘束台に四つん這いで固定され、尻穴からはプラスチック製のプラグがはみ出ている。

―こんなの、だれがどう見ても、変態きわまりない淫乱痴女だわ―
 お腹の痛みとはべつに、お腹の奥がキュンキュンする。しかも、なぜかまた股間が濡れてきてしまう。そうした事実から逃げるように、ご主人様の逞しい男根にしゃぶりつく。
 ジュポッ、ジュポッ、ジュポッ。
 首の動きに合わせて鎖がジャラジャラと鳴り、被虐的な悦びを盛り立てる。

「出来の良いマゾメスにサービスだ。」
 拓海ご主人様の両手が乳房に伸びてきて、指先で乳首をコリコリと弄られる。すかさずお礼を述べる卑しいマゾ牝奴隷の私。
「あんっ、ありがとうございますご主人さまっ♡ マゾ牝奴隷のメグうれしいっ♡」

 そのお礼にジュボジュボと激しくおしゃぶりし、さらに媚びたセリフを吐く。普段は決して出さない、舌足らずな甘え声。自分のこともマゾ牝奴隷のメグと呼んでしまう。

「拓海ご主人さまっ、メグも大好きなご主人様のせいえ・・・ザーメンミルク飲ませて欲しいな♡ どんなおいしいお味なのか、拓海ご主人様のご寵愛を一番に受けているマゾ牝奴隷として、一刻も早く知っておきたいのっ♡」

 淫らな気分で昂ぶっている今なら、ザーメンミルクなんていうイヤらしい言葉も抵抗なく口にできる。序列的には1番はナターシャかもしれないけど、拓海さんの気持ちは私に向いているから、一番の寵愛を受けていると言っても間違いじゃないわ。そんな言い訳を自分にしながら、鼻をムフンムフンと鳴らして美味しそうにおしゃぶり。

 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。

「それはそうだな。しかし、もう一段階上の刺激がないと俺は射精(いけ)ないぞ?」
 それを聞いて、私は悲しげに拓海ご主人様を見上げ、甘え声でおねだりする。
「ご主人さまぁ、メグは大好きな拓海ご主人様にメグのお口でイって欲しいですぅ♡」

 竿に吸い付きハーモニカを吹くように根元からカリまで舐める。舌先を伸ばして鈴口をヘビのようにチロチロと舐めつつく。舌を限界まで口から出し、裏筋をベロリベロリと根元のほうから亀頭へ向かって舐める。鏡面壁に映るその様子はとてもとてもイヤらしい。そしてまた咥えこんでジュボジュボとしゃぶる。

 拓海さんはそんな私の猛攻を受けても平然と耐えている。もはや私のお腹が限界に達しそう。そこへこんな提案がなされる。
「そうだな、もしメグがお漏らししながら激しくおしゃぶりしてくれたら、その背徳的な興奮で、俺もきっとイってしまうと思うが・・・どうする?」

 私の目的は拓海ご主人様にも、その瞬間を見られないことだった・・・だったのだけれど、ご主人様の御命令で女のもっとも恥ずかしい瞬間をお見せしたときの、破滅的な興奮の予感が私のマゾ心をくすぐり迷わせる。

 迷いで動けなくなってしまった私に聞こえるように、拓海ご主人様が決定打となる独り言をつぶやく。
「メグがフェラチオで俺を射精させられたら、ナターシャと同じレベル・・・いや、フェラチオ訓練を始めたばかり、しかも先ほど射精して2発目ということを考慮すれば、俺にとってナターシャより魅力ある女ということになるか・・・」
 それで意を決した私は、紅潮した顔と興奮に潤む瞳で拓海ご主人様にお願いする。

「拓海ご主人様・・・
 今からマゾ牝奴隷のメグが・・・
 ご主人様のご要望どおり・・・
 オンナとしてもっとも恥ずかしい瞬間をお見せいたします・・・
 ですから・・・
 拓海ご主人様も・・・
 めぐのお口の中に・・・
 おもいきり射精してくださいませ・・・
 おいしいザーメンミルクをご馳走してくださいませ・・・
 それが処女をささげて・・・
 マゾ牝奴隷の契約を結んだ・・・
 わたくし・・・
 芽美の・・・
 しあわせでございます・・・」

 喉がからからに渇き、昂ぶりすぎて口がおもうように動かず、最後まで言い切るのに時間がかかってしまった。さあ、拓海ご主人様!私に命令してください!俺にお前のオンナとしてもっとも恥ずかしい姿を見せろ、と。

 しかしご主人様は残酷だ。
「いいのかいメグ?お前が死ぬほどいやなら、俺は部屋を出て行ってもいいんだよ?」

 表面的には私をいたわるような優しいセリフ。しかし、マゾヒスティックな悦楽とオンナのプライドから私自身がそれを熱望して後戻りできないことを確信していながら、ご主人様に命じられたから仕方なくするのだという逃げを許さず、私自身にその決断を強いてくる。こんな酷いセリフを吐く拓海ご主人様が、たまらなく怖く、憎らしく・・・そして・・・。

「いいえ、拓海ご主人様。マゾ牝奴隷のメグは、自分の意思で、ご主人様に、わたしの、オンナとして、もっとも恥ずかしい瞬間を、お見せしたいのですわ。」
 今度は一言ひとことをはっきりと冷静に言い切った、心の奥底から噴出しようとする激しい情欲を、まだ早い、と必死に抑えつけながら。

「いいだろう、ぜひ見せてくれ!」
 拓海ご主人様は体を前のめりにして手を伸ばすとアナルプラグを抜き取り、崩壊へのカウントダウンが始まる。

 目の前の肉棒は凄い角度でそそり立ち、鈴口からカウパー液がだらだらと漏れている。咥えると、鋼鉄のような硬さだ。

―拓海ご主人様も、もの凄く興奮なさっているのね―
 そんな嬉しさを感じながら、ナターシャの最後の追い込みを真似てリズミカルに首を振って激しくおしゃぶりする。
 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。
 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。
 ジュボッ、ジュボッ、ジュボッ。

 ―もう、限界だわー
 あと5秒持つかどうかというところで、口を離して絶叫する。
「ご主人さまっ、マゾ牝奴隷メグのお漏らし見てっ!お口に射精(だ)してっ!」

 私の懇願に反応して凶悪さを増す剛直を咥え直し、5秒からのカウントダウンを心の中で開始。
 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ゴ)。
 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ヨン)。
 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(サン)。
 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(ニ)。
 ジュボ、ジュボ、ジュボッ(イ・・・ダメッ)!

「アアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
 その瞬間の恥ずかしい音を打ち消すかのように咆哮する私。

 拓海さんの目の前で、生理的な決壊と同期して心のダムも決壊し、理性、常識、尊厳、慎み、品性などの全ての殻が洗い流される。ダムの底に唯一残るのは、私がひたすら隠し通してきたマゾヒスティックな性欲のみ。

 露わになったその欲望が、拓海ご主人様のぎらつく視線としゃぶり直した肉棒が放つ灼熱の熱さで瞬時に乾かされ、燃え盛る炎となって私の身体中に広がっていく。

 わたしは、わけがわからなくなって、くるったように。
 ジュボジュボジュボジュボジュジュボッジュボジュボジュボッツ!

 自動おしゃぶり人形と化した私の頭が押さえつけられ、口内の肉棒が激しく脈動したかと思うと、先端の鈴口から熱い粘性の液体が奔出し私の喉を穿つ。肉欲に支配されている私は、それがなんなのか理解するのに時間を要する。

―・・・・・・あっ、拓海ご主人様が射精(だ)してくださったんだわ!―
 その思いが引き金となり、真っ白に燃え尽きるような絶頂に達する。口をすぼめて肉棒に隙間なく唇を密着させたまま、次々と吐き出される獣欲のエキスを喉を鳴らして飲み込みながら、言葉にできない絶頂の叫びをあげる。

―ああっ、イクッ、イッチャうっ、真っ白になるっ、イクイクイクイク、イッ、クゥッッ~!― 
そして絶頂の恍惚感に意識を奪われた。

 気がつくと、私は激しく泣きじゃくりながら、まだ8割ほど勃起しているペニスに一心不乱に舌をまとわりつかせていた。見上げると、拓海さんと目が合う。戸惑いの表情を浮かべて、手を私の頭と頬にあてて優しく撫でさすってくれている。

「ようやく意識がもどったようだな、呆けた顔で泣きじゃくりながらずっとおしゃぶりを止めないから、どうしたものかと心配していたが。俺にあんな姿を見せてしまったことが相当なショックだったようだね。」

 横の鏡面壁をみると、泣きはらした顔の私が見える。私の後方は、相応の酷いことになっていて、臭気もしている。慌てておしゃぶりを止め謝罪する。

「ご主人様、申し訳ありません。」
「謝ることは何もないよ。めぐが無事で安心した。それに凄い快感だった。」
「わたしも凄い快感でした、でも・・・」
「でも?」
「いえ、なんでもありません、ご主人様。」

 拓海さんは私が無事で安心したと仰ったけれど、私は自分が本当に無事なのか自信が持てなかった。昨日から異なる感覚のエクスタシーを続けて経験したことで、心の奥底の深い闇に眠っていた何かが目覚め、自分が急速に変わってていっている気がする。でもそれを説明することは今は難しかったし、そんな状況でもないから言葉を濁した。

「そうか、なら話はあとにして、さっさとここを片付けることにしよう。」
「・・・はい・・・わたしが責任をもって・・・やります・・・」

 この惨状を引きこしたことが恥ずかしくて消え入るような声を出す。そんな私を拓海さんはこう諭す。
「何を言ってるんだ?奴隷の世話はご主人様の仕事だぞ?お前はなにもしなくていい。ただ羞恥心と感謝の心は忘れてくれないほうがいいな、これからもこんなことが何度もあるかもしれないが。」
「こんなことが何度もあったら死んじゃいますよっ!」
「そうか、ならお前が死なないくらいに留めておくさ。」

 そう私をいなすと、拓海さんはてきぱきと後処理を始める。固定された私にシャワーでお湯をかけて私と拘束台の汚物をさっと洗い流す。床を流し、排水口に溜まった汚物を幅広の小さなシャベルですくい取ってトイレに流す。

 私を拘束台からはずすと下半身にシャワーを浴びせ、お尻の穴を念入りに洗う。そこで私はいったん放っておかれて、拘束台の汚れを洗剤で落す。排水溝の流れきらない汚れをティッシュで拭き取りトイレに流し、その後の排水溝にシャワーを浴びせて十分に洗い流す。

 それが終わると拓海さんもシャワーを浴び私を呼び寄せて、ボディシャンプーを私と自分に手で塗りたくって二人の体を念入りに洗う。

 最後にシャワーを浴びせっこしてお互いの泡をしっかり落しバスタオルでお互いの体を拭いて終了。汚れが流れていくに連れて、私の恥ずかしさも流れ去っていた。

「俺はこれからしばらく出かけてくる。お前は俺が戻ってくるまで今日の復習と課題に取り組んでいなさい。眠くなったら寝てしまってかまわない。」
「えーご主人さま~、メグは寂しいです~」

 私達は調教部屋の中央で拓海さんがナターシャに命じて持ってこさせた温かい紅茶を飲んでいる。拓海さんはバスローブ姿で赤いソファに座り、私はその足元にじゃれつくようにして床にすわって。これが調教部屋でのご主人様と奴隷の普段の正しい位置関係。ご主人様の膝に乗れるのは座位でセックスするときだけ。ましてお隣に座るなんて厳禁なの。

 拓海さんに鎖をくいと引っ張られ、顔をあげる。
「それもお前のためだから我慢しなさい。あの件の事後処理とかいろいろな。明日以降はたぶん一緒にいてやれると思う。」
「はーい、わかりましたぁ~」
「そうふて腐れるな。なんか甘いものでも買ってきてやるから」
「わーい、約束ですよう」
「よし、では調教終了のあいさつだ。」
「はい、ご主人様」

 私はウェッジウッドのティーカップを小さなサイドテーブルのソーサーに置くと、拓海さんの前に正座し、手を祈るように組んで、上を向いて目を合わせてこう唱える。

「大好きな拓海ご主人様、今日もマゾの私をお好みのままに奴隷調教し、牝の自覚を叩き込んでくださって、ありがとうございました。またいつでも私のお口・牝穴・尻穴を自由にお使いいただき、気持ちよく射精してくださいませ。それがご主人様に処女を捧げてマゾ牝奴隷の契約を結んだわたくし、吉野芽美の幸せでございます。」

 唱え終わってもそのままじっとしてご主人様の裁可を待つ。

「合格。自由にしていいぞ、relax。」
 そう言うと拓海さんはティーカップの載ったトレーを持って調教部屋を出て行った。

―紅茶まだ残ってたのになぁ―
 すっきりと解放された気分の私は、暢気にそんなことを考えながら床にあおむけになり、鏡面壁に向かって股を開くと、与えられた課題であるヴァギナの写真撮影への対処方法を考える。
 この部屋では拓海さんとのセックスのことだけが私の頭の中を占めるようになってきている。それはとても楽なこと。か弱い私がこの安楽な世界から離れることは、すでに、とても困難だ。そのことになぜか私は無性に泣きたくなって、一人さめざめと泣いた。

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