Discipline2:躾けられはじめた女 第3話

「とはいえ」
 拓海は重苦しい雰囲気を霧散させるかのように、軽薄な口調になった。
「女が恥ずかしい行動を自分からするには、なにかと建前が必要だからな。芽美がここへ来ざるをえない理由はちゃんと提示してあげるから大丈夫さ」

 何が大丈夫なのかわからなくて芽美が何も言わないでいると、拓海はこう続ける。
「さて、前説が随分と長くなってしまったが、芽美も納得した様子だから、今日の本題の肉体検診と適性診断に移ろうか」
「え、なんのこと?」
 急な方向転換に戸惑う芽美。

「契約書に書いてあるだろう?ほら、ここに」

 拓海が指差した箇所をみると、確かにこう書いてある。
-初回の調教時に、乙の性癖その他を把握するために必要な検査と肉体検診を行う-

「あ、ほんとだ」
 どんな調教をうけるのかとビクビクしていた芽美は拍子抜けして、つい可愛らしい声をあげてしまう。気が抜けたところで、大事な質問を忘れていることに気がついた。

「これが指定された奴隷の衣装なの?」
そう言って裸のまま首輪をされて鎖に繋がれている自分を指差す。
「その1つのパターンてところだ。芽美に似合う可愛いやつがなかなか見つからなくて苦労したんだぞ。その赤いCO〇CHの犬の首輪、よく似合ってるよ」

 驚いて首輪をよく見ると、CO〇CHと記された赤いハート型のペンダントがあった。鏡に映った自分を見ると、シンプルなデザインの赤い首輪はたしかに自分によく似合っている。これをわざわざ探してくれたのかと思うと、つい嬉しくなってお礼を言ってしまう。
「ありがとうございます・・・じゃなくて!確かに可愛いけど犬の首輪だなんて酷いわっ!」

 それを聞いて拓海は口元を歪める。犬の首輪をつけられて鎖に繋がれている檻の中の自分の姿をみても、その異常さではなく首輪の可愛らしさに意識を向けてしまうような女には、確実にマゾ牝奴隷の素質があるといえよう。拓海はこれからこの女がどのように変わっていくのか、とても楽しみだった。

 芽美の肉体検診と適性診断は、調教部屋内において、拓海とナターシャの二人で行なわれた。
 ナターシャは身体測定および美容衛生に関するデリケートな質問、デートへの要望、過去の性交経験や願望など女性のほうが聞きやすい項目のヒアリングを行なった。
 一方の拓海はエゴグラムやロールシャッハテスト・P-Fスタディ等の手法を用いた性格検査、芽美の肉体(特に性器)の現状把握、性知識の現状確認、映像を見せながらの脳波・脈拍等の測定によるアブノーマル度診断を行なった。

 芽美はアブノーマルを含めセックス経験豊富なナターシャが彼女自身の性体験を面白おかしく語る流れに乗せられて、自分の貧弱な経験と秘めた願望を、お酒の席で拓海や千佳に話してしまっていることだからと自分に言い訳しながら、赤裸々に打ち明けてしまった。

 また、拓海によって性器周辺を剃毛され、バストや性器の写真を撮られ、クスコで処女膜の検査をされた。「処女膜がきれいに裂けている。おめでとう、処女を完全に卒業したね」と拓海に微笑まれたときには激しい羞恥だけでなく、女性としての喜びを感じてしまい戸惑った。剃毛時や写真を撮影されているときに膣内を濡らしてしまったような気がしたが、それを揶揄されることはなくありがたく思った。

 芽美にとって最も恥ずかしかったのは、アブノーマル度診断が拓海によって実施されたことだった。モニター前の赤いソファに首輪をつけたまま裸で座らされて、じっくりと丁寧に剃毛されツルツルの女性器にされ、処女膜検査と性器の写真撮影をされた後に続けて行なわれたから、激しい羞恥で身体はすでに軽い興奮状態にあった。その身体に脳波や脈拍等を測定するための電極が貼られ、モニターに映される様々なセックスシーンを見たときの心身の興奮の大きさを測定された。

 全ての検査を終えるにはかなりの時間がかかったように思えた。時計がなく日の光が入らない調教部屋内では何時なのかわからなかった。日付はたしか3月26日の土曜日のはずで、お腹のすき具合など体感的には夜の7時頃ではないかと思われた。
 

 検査を終えた二人は調教部屋を出ていった。拓海は調査結果をまとめるため、ナターシャは食事の準備をするために。まもなくナターシャは熱いパエリヤと冷たいお水、白い錠剤を二粒持って戻ってきた。ピルと興奮剤、平たく言えば媚薬だということだが、どちらがピルなのかは判別がつかず両方飲むしかなかった。

 ナターシャが去ってかなりの時間が経った頃、横になって明かりの消えた調教部屋でうつらうつらとしていた芽美のもとに、ようやく拓海がやってきた。すべての診断結果とそれを踏まえた調教方針がまとめられた計画書を見せられたとき、芽美はこれから自分に施されるであろう激しい調教を想像して切なく身体を震わすのだった。

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