第8話:暗闇に響く啼泣

 見えない手が、私の胸と股間を同時に蹂躙し始めました。  
 愛撫と呼ぶにはあまりに暴力的で、検査のように無機質な手つき。  
 指が乳首を千切れんばかりに摘み上げ、秘所のひだを強引に引き剥がして粘膜を擦り上げます。

「いっ、いやぁっ! 痛い、やめて……っ!」

 私は痛みと嫌悪感に悲鳴を上げました。気持ちいいなどと感じるはずがありません。  
 けれど、男たちの手は止まりません。  
 執拗に、機械的に弱点を刺激され続けるうちに、私の意志とは裏腹に、下腹部がじわりと熱を持ってしまいました。  
 嫌なのに。怖いのに。  
「雌」としての身体機能だけが勝手に反応し、愛液がだらだらと太腿を伝い始めたのです。

「いいザマだ。身体は正直だな」

 嘲笑うような声と共に、頭上の鎖がジャラリと鳴りました。

「ひっ……!?」

 私の身体がふわりと宙に浮きました。
 手錠を繋ぐ鎖が巻き上げられ、足先が床から離れる高さまで吊り上げられたのです。  
 M字に開かれた無防備な股間を晒したまま、私はまるで肉屋の店先に吊るされた肉塊のように、空中で無様に揺れ動いていました。

「ほら、ブランコ遊びは好きか?」

 男の一人が私の腰を掴み、前後に揺すります。  
 視界がない暗闇の中で、平衡感覚が狂わされ、恐怖で身体が強張りました。  
 ゆらり、ゆらり。  
 振り子のように揺らされるたびに、どこかへぶつかるのではないかという不安がこみ上げます。

「よし、ここだ。ゆっくり下ろせ」

 不意に、私の股間が「熱いもの」にかすめました。  
 下から立ち昇る獣のような男の臭い。  
 私の真下に、男が一人、屹立した肉棒を構えて待ち受けているのが分かります。

「いや……やめて、降ろさないで……っ!」
「何を言う。お前が自分で咥えに行くんだよ」

 私の懇願は無視され、鎖がゆっくりと緩められました。  
 私の身体が重力に従って沈んでいきます。  
 そして――濡れそぼった私の秘所の入り口が、待ち構えていた硬い亀頭の先端に吸い込まれるように重なりました。

「あ……っ、入っ……ちゃう……!」
 逃げようにも、手足は固定され、身体は重力に引かれるままです。  

 ヌプリ。  

 粘膜が擦れる卑猥な音と共に、男の太い肉塊が私の中に滑り込んできます。  
 まるで私自身が、その異物を飲み込むために腰を下ろしているかのような、屈辱的な光景。

「んんっ……くぅ……っ!」
 鎖が完全に下ろされると、私の全体重がその一点にかかりました。  

 ズブズブズブ……ッ!  

 自分の重みで、楔のような肉棒が、濡れた悲鳴を上げる子宮の入り口まで一気に深々と貫通してしまったのです。

「ふん……中はなかなか上物だ。おい、体勢を変えるぞ」
 男の合図と共に、ジャラリ、と頭上の鎖が鳴りました。

「え……っ!?」

 突然、ピンと張っていた手首の鎖が緩められ、私の身体がガクンと落下しました。  
 床に叩きつけられる――そう思って身を竦めましたが、私の膝が着いたのは硬い床ではありませんでした。
 熱い、人の肌の上です。

 私は理解しました。
 最初の一人目の男が床に仰向けに寝そべり、その男の上に、私が四つん這いになるよう鎖の長さを調整されたのです。  
 下からは依然として、男のペニスが私のお腹の底を突き上げています。  
 まるで獣の交尾のような、屈辱的な体勢でした。

「まだ終わらんぞ。穴はまだ空いている」

 そう言ったのは別の男でした。  
 いつの間にか背後に回っていた男が、無防備に突き出された私の臀部を鷲掴みにしています。  
 そして――。

「え……嘘…そこは……!」

 信じられないことに、男は私の肛門に自らの逸物を押し当ててきたのです。  
 排泄器官を侵されるという未知の恐怖に、全身が粟立ちました。

「やっ……やめてください! そんなところ……不潔ですっ!」

 必死の懇願も虚しく、男は私の抗議を無視して、ゆっくりと侵入してきました。  
 メリメリと括約筋が裂けるような痛みに、私は絶叫しました。

「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ……!!」

 前後の穴を同時に犯される。  
 それは想像を絶する苦痛でした。  
 下からは子宮を突き上げられ、後ろからは腸壁を抉られる圧迫感。  
 私は息をするのも忘れ、ただ二本の肉棒に挟まれて悶え苦しむことしかできません。

「いい悲鳴だ。もっと聞かせろ」

 男たちはさらに動きを早めました。  
 二人の律動が私の身体を激しく揺さぶり、口からは涎が糸を引いて垂れ落ちます。  
 それでも彼らは一向に満足せず、さらなる苦痛を与えようと企んでいるようでした。

「おい、口も塞いでやれ」

 その言葉と共に、冷たい金属製の器具が私の顎にかけられました。  
「開口器」と呼ばれるものです。  
 私は必死に首を振って抵抗しようとしましたが、両手首を鎖で吊られ、前後を男に貫かれた状態では無力でした。

「ん゛う゛う゛っ……!」

 ガチャリという音と共に器具が嵌められると、私の口は無理やり大きく開かされました。  
 舌が抑え込まれ、顎が外れそうなほど固定されてしまいます。  
 しゃべることも叫ぶことも許されない。完全に「穴」としてしか扱われていない。  
 その現実に、深い絶望感が募りました。

「これでいい。もっと楽しませてもらうぞ」

 開口器を装着され、涎を垂れ流す私に向かって、最後の男が近づいてくる気配がしました。  
 そして――。

「ごふっ……!? おぐぅぅぅっ……!!」

 三人目の男の肉塊が、私の開かれた口腔へと容赦なくねじ込まれました。  
 喉の奥まで先端が到達し、強制的に食道を広げられます。  
 前、後ろ、そして口。  
 身体にあるすべての穴を異物に塞がれ、私は呼吸すらままならない肉人形と化してしまったのです。

 三方向からの侵入が完了すると、合図もなしに、地獄のような饗宴が始まりました。  

 ズプッ、グチュッ、パンパンパンッ!!  
 
 男たちが示し合わせたように、一斉に腰を打ち付け始めたのです。  
 前と後ろ、そして口。すべての穴が同時に拡張され、擦り上げられる感覚は、もはや快感や苦痛を超えて、身体が内側から破裂しそうな恐怖そのものでした。

「んぐぐっ……!! おぐぅっ……!!」

 呼吸をする隙間さえありません。  
 頭がグラグラと揺さぶられ、酸素不足で目の前がチカチカと明滅します。  
 私は人間としての思考を完全に奪われ、ただ男たちの欲望を処理するためだけの、生きた肉塊として翻弄され続けました。

 どれくらいの時間が経ったのでしょうか。  
 私の限界を見透かしたように、不意に鬼灯の声が響きました。

「さて……そろそろ限界か。牝豚、どの穴から餌をもらいたい?」

 突然の問いかけに、私は思わず咳き込みそうになりました。  
 けれど、喉の奥まで男根が深々と突き刺さっていて、返事などできるはずもありません。

「う……ぅぅ……」

 絞り出したのは、掠れた弱々しい呻き声だけでした。  
 それでも、鬼灯は満足げに鼻を鳴らしました。

「ふん……そうか。全部の穴で欲しいと言うのだな。強欲な牝豚め」

 その残酷な解釈に、反論する力も残っていません。
 ただ瞳孔が大きく開き、涙と共に唾液が零れ落ちていくのみです。

「いいだろう……三人とも! 餌をやれ! 同時にだぞ!」

 鬼灯の号令が響くと同時に――。

「ん――ッ!!??」

 ドクン!!  

 私の体内にある三つの肉塊が、同時に恐ろしいほど膨張しました。

「お゛ごっ……!? んぐぅぅぅっ……!!」

 口内で爆ぜた灼熱の奔流が、喉奥を焼き尽くし、鼻腔へ逆流します。  
 同時に、前方の男が胎内奥深くに注ぎ込む大量の粘液が、子宮を内側から破裂しそうなほど押し広げ、  背後の男が腸壁を抉りながら吐き出す熱塊が、肛門を焼けるように熱く満たしていきます。

 三つの穴が、同時に熱い精液で灼かれました。  
 それは、私の人間としての尊厳を完全に焼き尽くす、屈辱の洗礼でした。

(あ……あつい……なかが、いっぱいに……)

 あまりの衝撃と熱量に、身体の中で何かが音を立てて千切れた気がしました。  
 視界が白く反転し、音も光も遠ざかっていきます。

「……おや? 気絶したか。軟弱な牝豚め」

 遠ざかる意識の中で、鬼灯の冷たい嘲笑だけが響いていました。

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