「芽美、起きたのか?」
「はい、おはようございますご主人様!今日も1日頑張りましょうね!」
6月1日水曜日の午前7時すぎ、トーストをかじりながら出勤準備をしているところへ拓海さんから折り返しの電話がかかってきた。目覚めると一番に拓海さんに電話するのだが向こうも忙しいのか出ないこともある。
「10回コールしても出なければ電話を切って俺から折り返し電話が来るのを待て」と言われている。
「元気なんかじゃありません!くたくたですよもう~。昨日の夜もご主人様があんなことさせるからぁ~」
「事実ではあるから一応謝罪はしておく、すまなかったな。だが、切り上げようとした俺に続きを促したのはお前だぞ?『明日は早番じゃないから大丈夫』って」
「だってぇ、あんなタイミングで中断されたら、かえって眠れなくなっちゃうもの」
「そうだろうな、俺は興奮が収まらずに朝まで眠れなかったからな」
「え、寝てないの?!」
「そうだ、今まですっと溜まっていた書類関係の仕事をしていた。だから今から寝る」
「えと・・・興奮が収まらなかったってことは、その・・・ご自分でされたり、ナターシャさんとしたりはしなかったの?」
「いくら近くに住んでいるからといっても、親しき仲にも礼儀あり、だぞ。仕事で疲れているナターシャを深夜に呼び出して、他の女のオナニーを見て興奮した身体の性処理をやらせるなんて、いくらなんでも失礼すぎるだろうが」
「そのとおりですね、浅はかでした」
「それにだな!」
拓海さんが急に大声を張り上げてびっくりする。
「なんですか?」
「お前が頑張って込めてくれた“弾”を無駄打ちするなんて、そんな傲慢なことができるか!俺の欲望の証はぜんぶお前に受け止めさせる。それがご主人様としての礼儀であり義務だからな!」
拓海さんはきっぱりと、そう断言した。電話のむこうでドヤ顔をしている様子が目に浮かぶ。そういう茶目っ気のある人だった。変わった考え方をする人だなぁ、と引いてしまう一方で憎めない。照れてもしまって思わずお礼を言いかけるが、ナターシャのことが頭をよぎる。
「それはどうもあ・・・でも、ナターシャさんにも受け止めてさせてるんじゃないの?勢いで誤魔化そうとしてもダメですよ~だ」
推測に反して拓海さんはこんなことを言う。
「最近ナターシャとは全然してないぞ。お互い忙しくてそんな時間がとれなくてな。帰国準備を始めたナターシャは、帰国前にもうひと稼ぎしたいらしく、ソープのシフトをたくさん入れているし、俺のほうも、実際にやってみたらお前の調教に想定以上に時間を割かれて仕事との両立で手一杯だ。彼女への業務連絡もほとんど電話とメールでしていて、対面するのは週末だけ。彼女とする余裕は皆無だよ、残念だが」
最後の一言が余計だったが、曇りかけた私の気持ちは晴れた。当事者である私にはその大変さが納得できるし、本性をさらけ出した後、彼は私に嘘をつかない。多くの時間を一緒に過ごしているせいか、彼が隠し事をしているときは察せられるようになった。
「そうですか。なら仕方ありません、私が全部受け止めて差し上げますね」
今夜はどんなふうに御奉仕しようかと思いながら、そう返答する。朝からなんて破廉恥なことを口にしているのだろうと頬が熱くなって、話題を変える。
「今夜は何時ごろになるの?食べたいものありますか?」
「そうそう、今夜の話だが」
「え?もしかして来れないとか?」
「早とちりするな。お前をある場所に連れていきたいだけだ。上野駅、いや御徒町駅の南口改札で待ち合わせよう。時間は午後の7時半でどうだ?」
会えるとわかってほっとする。
「7時半なら大丈夫ですよたぶん。遅れそうなら連絡しますね」
「遅れたら美味しいとんかつが食べれなくなるぞ、店が閉まっちゃうから。疲れているお前に栄養つけてやろうと思ってな。だから頑張って仕事を早く済ませろ」
「え、絶対食べる!お仕事頑張ります!夕方に時間の目処を連絡しますね」
「ああ。早く来れたほうがいいからな。食事は前座だから。ま、今日も健康そうでなによりだ。じゃ、夜にまた!」
「はい、ご主人様」
最後にそう返事をすると、命じられている通り、先に電話を切った。
拓海さんには「くたくたですよもう~」なんて冗談めかして言ったが、実は私はとても元気だった。昨夜、拓海さんに指示されながらのオナニーでぐったりしてしまったのは本当のこと。でも、そのおかげですぐに深い眠りに落ちてぐっすりと朝まで眠ることができた。頭の中はすっきりとしていて身体は元気いっぱいだ。仕事のことを引きずって、イライラしたまま無理に寝ようとしてなかなか寝付けなかったり、なんども目が覚めて、疲れがとれないまま朝を迎えていた以前の生活が幻のようだ。
睡眠だけではなく、オナニーも変わった。処女の頃は、ふとんにくるまって、憧れの男性アイドルや片思いの男の子に処女を強引に奪われる夢想をしながら。クリトリスを少し弄るだけで満足していた。かける時間は短かく、回数も生理前にムラムラしたときにやるくらいだったから、月に2回もやれば多いほうだった。それがセックス合宿以降は毎週、拓海さんと会わない月火木の3日のうち2日、WEBカメラを使った彼の指示と観察のもとでオナニーさせられている。生理のときは免除されているから月に6、7回といったところだ。
オナニーのとき、彼は自分の姿をモニターに映すことはしないが、ヘッドフォンを通して声で指示したり感想を言ったりはしてくる。昨夜のオナニーも、高音質で音漏れのないワイヤレスのPC用ヘッドセットを装着した私の両耳に届く、拓海さんの指示で開始された。
「…Jill off…」
一日の報告を終えて、しばらく雑談を楽しんでいるところに天使が通った。その一瞬の沈黙の後、いつもどおりの低音で色気のあるバリトンボイスが、いつもの調教時と違って穏やかに、まるで私にその行為を懇願するかのような音色で届いた。
小声でも高品質のヘッドフォンからは一語一語はっきり聞こえる。まるでご主人様が二人いて、両側から耳に口を近づけて囁かれているかのようだ。その声にうっとりとして体を痺れさせていると、独り言のように次の指示が囁かれた。
「…Spred eagle…」
―いけない、命令に従わないと!―
「かしこまりました、ご主人様」
ベッドマットの上でくつろいだ姿勢の私はそう返事をすると、起き上がってWEBカメラがフォーカスしている一人掛けのローソファに浅く腰掛けて寄りかかり、膝を直角に曲げて足裏を床につけ、両脚を左右に大きく開いてM字開脚の姿勢をとった。服装はいつもと同様、裸体に赤い首輪だけ。
そして私は、無機質そのものの視線でじっと見つめ続けるWEBカメラの小さなレンズの向こうで見守っているご主人様のことを想い、このマゾ牝奴隷の痴態で興奮して一緒にオナニーしてくれることを願いながら、マイクに誘惑の甘い声をあげて一人遊びに耽り始めた。
最初は作り物だったそれが本物の嬌声に変わった頃、拓海ご主人様の優しげな声が耳に響いた。
「Sopping cunt!がんばっている芽美にプレゼントを上げよう。例の紙袋の中の箱を開けてごらん?」
一昨日の日曜日の夜遅く、温泉旅行から帰宅したときに二つの箱が入った大きめな紙袋を渡され寝室に置いておくように言われた。その箱を開けると、一方には12センチの赤いピンヒールが、もう片方には、男根の形状をした性具が入っていた。性具の形状は見たことがあるようなないような?赤いピンヒールのほうは見覚えがあった。
「それは勃起した俺のペニスをかたどったディルドだ。医療用器具にも使われているエラストマー、つまりシリコンゴムで作られているからコンドームを被せずそのまま挿入して大丈夫だ。ヒールのほうは日曜日に空き地でお前に履かせたやつだ。それを履いて、この映像を見ながら、そのディルドを使ってオナニーすれば、いくら淫乱なお前でも十分に満足できるんじゃないか?」
鈍い光を放ちゆっくりと点滅を繰り返す映像が映されていたモニターに、赤外線カメラで撮影したと思われる色彩の抜けた暗い映像が映し出された。ボンネットに手をついて立ちバックで犯されている女性を車内から撮影したものだ。
それが盗撮であることは間違いない。だって、その女性と同一人物である私が知らなかったのだから。私はごくりと生唾を飲み込んだ。
「しかし、もう11時半過ぎだな・・・どうする芽美?明日の仕事に備えてもう寝るか?それとも、今日は火曜日だから、最後まで頑張ってみるか?」
ここまでお膳立てされた魅力的なオナニーを提案をされて「はいもう寝ます」なんて言えるわけがなかった。興奮で乾いた唇を蠱惑的にペロリと舐め、いそいそとヒールを履きディルドを手にとってこう言った。
「ご主人様のいじわる♡」
今日は火曜日だから、と言う言葉には説明が必要だろう。
原則、拓海さんによって毎週月曜日は「cunt休養日」つまり私の女性器を使わず休ませる日と定められている。ただ、彼の都合で休養日が火や木に変わることもある。それを私は夕方に彼からSNSで送られてくるコマンドで知る。「abstinence」であればその日は禁欲し、「jill off」であればオナニーをする。
それには、こういう意図があった。
・私のヴァギナを酷使した週末の翌日である月曜日には、しっかりと休ませて心身と女性器の健康的な状態を維持する。
・禁欲開けの火曜日は欲求不満の私に激しいオナニーでイクことを許し、満たされた気持ちで水曜日の御奉仕セックスを実施させる。
・御奉仕セックスの後であり翌日に週末調教を控えた木曜日は軽いオナニーに留めさせ、女性器の良好な状態を維持し、また同時に、欲求不満なまま調教を迎えさせることで調教の効果を高める。
私は彼のこうした考えを温泉旅行のときに初めて知った。日曜日の夕方、山の中の細い林道のどんづまりにある小さな空き地に停められた彼の車に手をついて、立ちバックでGスポットを責められてアンアン喘いでいる最中に、耳元で囁かれたのだ。
温泉宿をチェックアウトし、地元で有名な美味しい蕎麦屋で昼食をとり、繁華街をぶらぶらしてお土産を買ったらもう午後の3時過ぎ。あとは帰るだけ。というのに今更どこへ向かうのかと怪訝に思って尋ねたら「人のいない綺麗な渓流があるから見せたいんだ」という回答。
空き地から獣道を5分ほど歩いて辿り着いたその場所は確かに素晴らしかった。拓海さんはその素敵な景色を背景に、派手なワンピース姿の私の写真を何枚も撮った。
私が着ていたのは、ピンクのベース色に大きく派手な赤や青のフラワープリントがヴィヴィッドに彩られたノースリーブのワンピース。腰の高い位置でキュッと絞られていてスカートがふわりと広がり、ウェストが細く、脚が長く見える優れものだ。
丈も大胆な超ミニで普段着としては派手すぎる。だが、初夏の暑い晴れた日に観光地を訪れる女の子の服としてはぴったりだ。なにより拓海さんとの初旅行だから、勇気を出して着てみたのだ。山だから生脚は避けて、黒のニーハイを履いて虫や草木から脚をガードした。それでも絶対領域が眩しく見えている。髪をふわふわにカールさせて、可愛らしく薄化粧をして姿見を見たとき、思わずよし!とはしゃいでしまったくらいオシャレにキマっていた。
「今日の芽美はいつにもましてオシャレだね♪」
「そのワンピース、とてもよく似合っていて素敵だよ♪」
「この風景が色褪せて見えるくらい綺麗だよ♪」
数々のこんな歯の浮くようなセリフで褒めてもらって、パシャパシャ、パシャパシャと写真をたくさん撮ってもらった。そして日が落ちる直前の、誰もいない清流のほとりというロマンチックなその場所で、情熱的に抱きしめられて、甘い褒め言葉を囁かれながら、何度も何度もキスをされた。
まるで自分が恋愛映画のメインヒロインとしてロケに訪れたアイドル女優のように感じられて、私は有頂天になった。
車内に戻るとクーラーボックスの冷えたドリンクを飲みながらしばらく雑談をした。私は拓海さんから渡された強めのお酒。拓海さんは運転だからコカコーラ。清流の話からお昼のお蕎麦の話、宿の話、温泉の話。
バスタオル無しで中高年男性ばかりの混浴露天風呂に入浴させられたときの恥ずかしさと秘めやかな興奮を思い出して赤面した。
そんな私に拓海さんはこんなふうに言って、フェラチオを命じた。
―アイドル女優みたいに可愛くて綺麗な今日のお前を見ていたら、もう我慢できなくなってしまった―
―観光ルートから完全に外れているこの場所を林業関係者以外が利用することはなく、今日は仕事休みの日曜日。山の日が隠れるのは早く、すでに夕闇があたりを支配しているのだから、日曜に仕事をしていた人がいたとしても既に帰宅しているし、今から人が来ることも絶対にない。だから安心しておしゃぶりするんだ、俺の可愛いマゾ牝奴隷メグ―
拓海さんは助手席の私におしゃぶりさせながら、カーステレオからGymnopédie をかけ、背中のファスナーを降ろしてワンピースを脱がし、小瓶に入ったいつもの香油「Tacki for prudish Meg」を背中に垂らし、「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・」と呟きながら私の裸身に塗り広げ、首に赤い首輪を嵌めた。
そしてしばらくフェラチオを続けさせた後、こう言った。
「Copulation(交尾)!」
私はその命令に抵抗できなかった。なぜなら先程からずっと、発情し股間をしとどに濡らしながら、拓海ご主人様を一刻も早くその気にさせてその言葉を発してもらおうと、ジュポジュポといやらしい音を立てて情熱的におしゃぶりしていたのだから。
フェラを中断して顔を上げた私は「はい、ご主人様」と口に出そうとしたが、先回の週末調教のときを思い出して、話すことが禁じられていることを思い出して黙ったまま頷いた。
ご主人様は「Sopping cunt」と仰って私の頭を軽くひと撫ですると、こう続けて運転席から外へ出た。「Come!」
赤い首輪と黒いニーハイ、スニーカーだけを着用した私が助手席から外で出て四つん這いになると、ご主人様が近づいてきて手に持っていた赤いピンヒールを私に履かせてくれた。高さはあとで聞いたら12センチとのことだった。
「Standing!」
ご主人様がそう命令を下してボンネットの前を指差した。
脚を伸ばして立ちあがった私は不慣れと興奮とで前によろけそうになり、片手をボンネットについて正面まで歩くと、フロントガラスに正対した向きでボンネットの先端に両手をついて両脚を大きく広げて、お尻を後方へ突き出して交尾開始を待った。
しかしその時はなかなか来ない。焦れてご主人様を挑発するつもりで軽くお尻を振っているとご主人様の命令が下った。
「Show!」
右手をお腹側からオマンコに伸ばし、小陰唇の間に中指と人差し指を押し当ててそのまま左右に開いた。地面にピチョリと淫蜜の雫が垂れた。
フラッシュの光とともにパシャ、パシャと音がし、先ほどの清純可憐な私を撮影したのと同じカメラが私の破廉恥な姿を記録していった。
オマンコを開いたまま脚をピンと伸ばし、後ろを向いてカメラ目線で痴呆のようなあどけない笑顔を浮かべて撮影に応じる私。股間からポタポタと愛液が垂れ落ちる。ご主人様にはマゾ牝奴隷が露出撮影で感じているのが丸わかりだろう。
風は、弱く暖かい南風だった。木々の葉がさわさわと優しくざわめく。鳥が鳴く。尻肉に手が当てられる。いよいよだ。
「濡れ濡れだね、メグ、いい子だ・・・」
ご主人様の褒め言葉がさらにわたしを昂ぶらせ、甘い吐息を吐こうとすると。
グチュウウウ!!
淫音を立てて怒張が勢いよく膣壁を押し開いて挿入され、勢いよく最奥まで突き入れられた。
「キャオーーーーーンッ!♡」
牝犬の遠吠えがやけに近くに聞こえる、と思ったら自分が上げた獣のような咆哮だった。大自然の中で私も獣に還ってしまったようだ。
肉棒が何度も、カリで肉襞をめくりあげながらゆっくりと引き抜かれては、軽く締め付ける膣壁を押し分けてゆっくりと突き込まれた。私の膣内のあらゆる箇所を刺激し終わると、肉棒による刺激はだんだんとGスポットに集約していった。
最初の一撃の後のストロークは、どれも優しくゆっくりとしたものだった。夕闇の森の静けさを乱してはいけないような気がして、声を押し殺してその快感を貪る。
酷く現実感に乏しかった。ついこの間まで処女だった私が、ついさっきまでアイドル女優のようだった自分が、林の中の空き地で、露出狂の痴女のように、AV女優のように野外セックスに耽っている。そう思ったらいっそう昂ぶってしまって獣のような嬌声を抑えるのに苦労した。
ご主人様が私のオマンコの使用方針を説明してきたのはそんなときだった。
日中、例えば昼食をとっているときに聞かされていたなら、私が毎日でも犯されたがっている淫乱女であるとの前提で、性処理の道具として合理的に使用することを狙いとしたその考え方に嫌悪感を抱いたかもしれない。
しかし、野外セックスの快感を本能のままに貪っているときに聞かされたそれは、私のことを深く理解し身体を優しく思いやってくれている素晴らしい考えに思えた。
ご主人様の慈愛を感じて私はますます燃え上がった。
嬌声の高まりを受けて、ご主人様はストロークの速度を速めた。私の嬌声はますます激しくなった。静かだった空き地にグシャッ、グシャッという挿入音と、「キャウッ♡、キャウッ♡」というメスの獣の喘ぎ声が響き続けた。
ご主人様がギアをもう一段階上げてストロークの速度をトップまで持っていくと同時に「Harder!」と仰った。
私は嬌声を抑える必要はないことを理解し慎みを忘れて大声で叫び出した。
「キャオオッ!、キャオオッ!キャオオッ!♡」
グシャッ!グシャッ!グシャッ!グシャッ!・・・グシャッ!グシャッ!
トップ速度の突き入れを30回ほど行なうと、ご主人様は首輪の鎖を引っ張って私を振り向かせ、背中からのしかかるような姿勢になって「Sopping cunt」と耳元で囁いた。私は思わぬ褒め言葉に嬉しくなって媚びた微笑を浮かべた。
ご主人様は男根を突き入れたまま腰をゆるゆると回転させ、私の唇を強く奪い、それと対照的なソフトタッチで乳房をいたわるように揉みほぐした。その強弱・緩急のつけ方は絶妙だった。
そうして私をしばらく焦らすと、ご主人様は再びトップ速度の突き入れを30回ほど行なった。腰を緩やかな動きにして、鎖を引っ張り、キス、乳房愛撫。そして突き入れに戻る。
幾度もそれが繰り返され、快楽の荒波に翻弄され続けた私は気が狂いそうだった。キスをされている最中、自ら口を離してご主人様を切なそうに見詰める。私の思いを察してくださった優しいご主人様。
「Say!」
言葉を発することを許された私はその気持ちを口にする。
「もうだめ、もう、もう、どうにかなっちゃいそうなのっ!こわいのっ!」
「優秀なマゾ牝奴隷のお前がそんなこともわからないのか!?」
思わぬご主人様の厳しい叱責におびえる私。
「ああん、そうですぅ~♡ごめんなさい♡、バカなマゾ牝奴隷でごめんなさい♡、許してご主人さま、ゆるしてぇ~♡」
怒られて脅えて震えているはずなのに、その声はご主人様に叱られたことを悦んでいるような、嬉しげで自分でも気持ちが悪いほどの媚びた甘え声だった。
ご主人様に機嫌を直してもらおうとするかのように膣穴全体がキュッキュッと収縮し、やわやわと肉棒を愛撫する。
「どうなるかわからないのなら、ご主人様が教えてあげようか、メグ?」
腰をゆるゆると動かしながら、ご主人様が慈愛のこもったまなざしでそう仰る。
「うん♡、おしえて♡、お馬鹿なメグにおしえて♡、頭のわるいマゾ牝奴隷にお話してっ♡!」
気持ちが悪い媚びた甘え声を止められない。もし自分に尻尾があれば、勢いよくパタパタと振っていそうだなと思う。
「いいだろう、教えてやるからしっかり覚えておけよ!吉野芽美は、人間の女という暑苦しい皮を脱ぎ捨てて、本来の自分である淫らなメスの獣、淫獣の姿に還るんだ」
「いん、じゅう・・・?」
「そう、淫獣。セックスが大好きで、寝ている時、食事している時、排泄している時以外は常にセックスしているか、セックスのことばかり考えていて、ご主人様にセックスしていただくためなら、ご主人様のどんな欲求にも悦んで応えちゃう、淫らなケモノさ」
「わたし、いんじゅうなの?・・・ちがうもん!そんなんじゃない!セックスなんて好きじゃないもん!セックスのことばかり考えてないもん!」
「そうかな?なら思い出してごらん?先週の週末はどうしてた?この1週間はどう過ごしてた?今はどこでなにをしているの?」
拓海ご主人様は、解ける問題をちょっとだけ慌てて間違えてしまった頭の良い子供を諭すように、私にヒントをくださる。そればかりか、落ち込んだ私の膣内を弾力のある硬い棒で突いて気持ちを昂ぶらせてくださる。
ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ!
私は肉棒の素敵な感触に落ち着きを取り戻して、霞がかってぼんやりする頭を必死に使って御命令どおり順番に思い出していく。
「先週末わ・・・ご主人様のおうちで・・・ご主人様とセックスして・・・お食事して・・・おねんねして・・・おきて・・・セックスして・・・オシッコして・・・セックスのことかんがえて・・・セックスしてもらうためにいろんなことして・・・そしてセックスしましたぁ♡!」
「そうだね、ちゃんと全部思い出してえらいぞメグ!」
そう言ってご主人様はご褒美に私の膣内で快楽の打出の小づちを振ってくださる。私は褒められて伸びる子だから、ますます霞がかる頭を振り絞ってこの1週間のことを思い出そうとする。
「んーと・・・月曜日わ・・・セックスしたかったけどぉ・・・週末にたっぷり使ったオマンコを休養させなさい、そうしないとセックスできなくなっちゃうかもしれないよ、っていわれたから・・・セックスのこと考えるだけにして・・・火曜わ・・・オマンコ休養日明けだからいいよって言われてオナニーたくさんして・・・水曜わ・・・いつもみたく、わたしのお部屋でご主人さまにたっぷり御奉仕して・・・木曜わ・・・前日オマンコいっぱいつかったからちょっとだけオナニーして・・・金曜わ・・・ご主人さまのおうちでたくさんセックスして・・・土曜はわ・・・ご主人さまと温泉旅行にでかけて・・・温泉宿でセックスしましたぁ♡!」
「えらいえらい!メグはやっぱり頭の良いマゾメスどれいちゃんだね!」
ご主人様は膣内の快楽の打出の小づちをいっそう激しく動かしてくださって、私は、とおっても、いい気分になる。
「アアンッ♡」
「最後は簡単だね、メグ?さあ、お前は今ここで、どんな姿で、いったいなにをしているのかなぁ?」
わたしはその質問にはやくお答えしたくてうずうずしていた。ご主人様のお言葉が終わらないうちにこう答えていた。
「はいはいはいっ!メグはいまぁ、山のなかの空き地でぇ~、いつもみたく赤い首輪だけのスッポンポンのおすがたでぇ~、タクミご主人様とぉ、セックスっ、してまーす!」
「うん100点満点だよ!さあ、もうわかったろうメグ、お前が何になってしまっているのか?」
ちょっと考えればこんなに簡単なのに、さっきはどうしてわからなかったのだろう?私はそのことが恥ずかしくて、ちょっとど忘れしただけなの、みたいな雰囲気を出したくて軽い感じで答えた。
「はい、メグはもうとっくに、みだらなメスのケモノさん、『い・ん・じゅ・う♡』になっちゃってたの、忘れてましたあ・・・てへ!」
頭の中の霞はもうくっきりと晴れて、そこに『うがき芽美はいんじゅうです♡ ごしゅじんさまとセックスするのがだいすきで、セックスしていただくためならどんなことでもしちゃいます♡』という回答に大きな花丸が描かれた答案用紙が浮かんでいた。
そこでふと気がついた。
「もしかしてご主人様は、メグのびょうき・・・きおくそうしつをなおしてくれたの?」
「うーん、ちょっと違うけど、そう思ってもらってもかまわないかな?頑丈なタブーの殻を破って、行き場所がなかった性欲を解放してあげた、というのが正しいかな」
ご主人様は苦笑してそんなふうにおっしゃた。今のわたしには難しくてよくわからない。でも病気を直してくれたことは間違いないみたい。そっか、わたしの病気を直すために、ああいうことをしたんだ。なんだそうだったのか。ご主人様がやっぱり悪いひとじゃなかったことがわかって、頬を涙のしずくが流れ落ちた。
ーああ、でも?ー
「ちりょうがおわったってことは、メグはもうご主人様とは合えないの?じぶんが、『いんじゅう』だったことを思い出したメグは、どっか、ほかのとこにつれていかれちゃったりするの?捨てられちゃったり、ほけんじょに連れて行かれちゃったりするの?」
するとご主人様はこんなふうにおっしゃった。
「そんなことはないさ。淫獣はご主人様とセックスしないと頭がおかしくなって死んじゃう動物だからね。ご主人様である俺がメグのこと、ちゃんと面倒みてあげないと。それにメグは自分が淫獣だってことを思い出したばかりじゃないか。本当にちゃんと思い出したのかどうか経過観察の必要がある、つまり、まだしばらく様子をみないといけないんだ。だからこれからもちゃんと俺のところに来なさい、メグ!」
「うん!メグはご主人様とセックスするのが大好きだからっ! そのためならなんでもするからっ!これからもよろしくねっ、拓海ご主人さまっ!♡」
良かった。安心したら交尾の続きがしたくなった。
「こちらこそよろしく!さあ話は終わり。最後まで済ませるとしようか」
ご主人様も同じ気持ちだったみたい。嬉しい。
会話をしている間もずっとわたしの膣内を衰えることなく往復していたご主人様の怒張は、お話が終わる頃にはなぜか凶暴性を増していた。その凶器が私の子宮口めがけて幾度も力強く突き入れられる。
グシャッ!、グシャッ!、グシャッ!、グシャッ!
「アォオオッ!、アォオオッ!アォオオッ!」
私は森の中でケモノの嬌声を上げ続け、十数回目の突きで絶頂に達した。
「アォォォーーーーーーーーーーーーッ!♥」
背中を反らせ首を上げて虚ろな瞳で虚空を見つめて星空に淫獣の遠吠えを響かせる。私の絶叫に驚いて鳥がバサバサと飛び去った。
「Money shot!」(ぶっかけてやるよ)
ご主人様がそう宣告して、膣壁できゅんきゅん締め付け肉襞をまとわりつかせて中出しをうながす私の膣内から肉棒を引き抜くと、背中の上にドクドクと発射した。背中や髪や首筋、お尻が熱い。
ご主人様は「マーキング」と称してそれをそのまま塗りたくった。絶頂の余韻と、ご主人様にマーキングされる悦びから、私は身体をビクビクと痙攣させた。
ジャラリ。
「Clear up!」
うっとりしていた私の首輪の鎖のリードをご主人様がグイと引っ張り、マゾ牝奴隷の責務を思い出させてくださった。ご主人様に倒れこむとずるずるとしゃがみ込み、眼前のまだ十分に固い肉棒に舌を伸ばし、がに股の姿勢でペロリペロリとお掃除フェラを始めた。
精液と愛液が混ざり合った、苦いような、酸っぱいような、それでいて甘さも感じるような生臭い味に、ご主人様との愛の絆を感じる。放出したばかりなのに、ちょっと舐めただけですぐに元気を取り戻して鋼鉄のような固さにもどった男根の舌触り。やっぱり今日のご主人様はいつも以上に興奮なさってる。
―ご主人様まだ出したりないんじゃないかなぁ、しっかりおしゃぶりしてさしあげたいなぁ、でもご命令なしにしたら怒られちゃうかなぁ・・・いいや、やっちゃえ!―
そう思った瞬間、ご主人様がこう仰った。
「しかし今日はお前が『いんじゅう』だと認めた記念すべき日だ。お祝いに顔にもしっかりとぶっかけて記念写真を撮ってやろう、blow job harder!」
―わーい!ー
ご主人様と気持ちが通じ合ってることが嬉しい。お顔を見上げてニッコリすると、私はご主人様のお尻に手をやって身体を固定し、唇を竿に隙間なく密着させて本格的なおしゃぶりを開始した。
ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!
「Money shot!」
ご主人様から放出の合図がなされるのは予想外に早かった。
―わたしのおしゃぶりテクもご主人様に満足していただけるレベルになったのかも♪―
そんなことを考えながら肉棒を吐き出し、ご主人様と視線を合わせて舌を出して口をアーンと大きく開ける。ご主人様が竿に手を当てて角度を調整されている。
ビシャッ、ビシャツ、ビシャッ!
私の目、鼻、唇、舌に熱い奔流がほとばしった。直撃した右目が沁みる。鼻に入ってツンとして息苦しくなる。口腔内にいつもの甘苦い味が広がる。大人の女だけがわかる、くせになる味だ。
「アアーン!♥」
嬉しさのあまり軽く絶頂して、思わず声が出てしまった。
ご主人様は角度を微妙に調整して、おでこ、頬、あごにも万遍なく放出すると、カメラを構えて全身と顔のアップをバシャバシャバシャとフラッシュを焚いて激写する。
私はガニ股の姿勢のまま右手で胸を揉み、左手はピースサインのポーズをすると、ウインクするように右目を閉じて、唇と周辺にこびりつく白濁液をご主人様のOKが出るまで舌で舐め取りつづけた。
清純なアイドルから露出狂のAV女優に堕ちた私の痴態を、フロントガラスの内側におかれた小さな赤外線カメラが正面からあますところなく撮影していたことは、昨日のオナニーの時に初めて知った。
私は最近、自分が女として大きく変わったことを強く実感している。
まず、身体の感度があがった。もともとの性感帯である乳首・陰核・膣が敏感になっただけでなく、性感帯が増え身体全体が敏感になった。
また、男の発情を察せられるようになった。例えば、ある男が私のミニスカートから延びる太腿に目をやっていたとする。それが性的な関心から見ているのか、別の関心から見ているのか、その違いを視線の中の光の輝きで判断できるようになった。出会った最初の頃の拓海さんの視線の意味がようやくわかったのだ。
しかし、あの頃の私にどうしてそんな視線を向けていたのか、その理由は未だによくわからない。私のマゾとして、メスとして、奴隷としての素質を見抜いていたようなことを言うが、それがわかったのは、私を罠にはめて、詳しく調査してからのはずだ。
外見、つまりルックスとスタイルに大きな変化はないと思う。セックスという運動をたっぷりヤっている効果で体重が少し減って贅肉がちょっぴり引き締まったくらい。拓海さんからは、食事はたんぱく質と野菜を中心にたっぷり摂るように言われ、食べさせられもしている。これ以上痩せることはなさそう。
周囲の人たちからは「最近きれいになってきたよね」と言われている。「なった」ではなく「なってきた」と言われても、じゃあまだまだ不細工なのねと反発したくなるが、まあ良しとしよう。
メイクとファッションに関しては、拓海さんの目を意識して前よりも少しだけ明るく大胆なものになったが、見せているのは拓海さんだけだ。彼の前では裸でいることが多いので、言われたとおり肌に傷をつけないように気をつけ、より綺麗になるように手入れを始めたが、その効果がでるのはもう少し先だろう。
性格と言動は自分でも大きく変わった気がする。
運動量が増え一人で過ごす時間が減り他に考えることが増えたせいだろう、過ぎたことを考えて落ち込むことがなくなった。
自分のことを拓海さんにどう思われるかばかりが気になって、それ以外の人の言葉が気にならなくなった。
ある人のことを拓海さんならどう思うかが気になって、結果的に他人を客観的にみるようになった。
時間が足りないので拓海さんを見習って積極的にテキパキと行動するようになった。
他人の曖昧な言動は、その中身をしっかりと確認するようになり、誤解や思い込みが減って仕事のミスや人間関係がこじれることが減った。
処女を卒業し毎日のように求められていることで女として自信がついた。上品であれとの指示に従って下品な話には加わらないようにしているが、そういった話を振られたり冗談を言われたりしても上手くかわせるようになった。
職場では先輩から「芽美も1年経ってようやく、気さくに自分を出して話せるようになったわね、そのほうがいいわ」と褒められ、美咲と里奈からは「色気がでてきたわね」と冗談まじりに言われ、千佳先輩からは、「明るくよく笑うようになったわね」としみじみと言われた。先輩はそう言うと、なぜか一瞬だけ悲しみの表情を浮かべた。
もっとも変わったのは、本当にイクことを覚えたことだろう。処女のときのオナニーでイったと思っていたのは似て非なるものだった。ただイクのに時間がかかるようになった。快感のレベルがここを超えたらイッてしまう、という“絶頂の閾値”とでもいうべき水準が大幅に上昇したということか。
それだけではない。身体全体が敏感になったのと関係があるのかとも思うが、快感の“熱”を体内に大量に溜めておくことができるようになった。
その熱は私の体内を隅から隅まで熱く燃え上がらせ、強固な理性の壁を跡形もなく破壊し、絶頂時に私の意識を快楽の天国へ導く推進力となる。熱量が溜まれば溜まるほど、私はより高位の快楽の天国へと導かれる。
私がその“至高天”に辿り着くことはあるのだろうか?それとも最後に辿り着くのは地獄の第2圏“愛欲者の地獄”なのだろうか?
しかし、ここを超えたら絶頂してしまうという快感の閾値の上昇も最近になって収まってきた。これ以上熱を溜めるのは難しいのではないかと思う。なぜならそのラインを超えてしまうと、もうわけがわからなくなり、イカせてくれるためなら何でもする“淫獣”の本性を現してしまうのだから。
もしかしたら私はもう愛欲者の地獄に落ちてしまっていて、そこでの苦しみから逃れるために、ずっと淫らな白昼夢を見続けているのかもしれない。
大学での講義「イタリア文学概論」で勉強した後に好きな小説の仲間入りをしたダンテの「神曲」。それを通勤中の電車内で読み返し、真面目な表情とは裏腹に内心でそんな淫らな考察をしながら、電車を下りて職場へと向かった。