タトゥーの痛みがまだジンジンと残る太腿を引きずりながら、私はとあるビルの地下にあるスタジオへと連れてこられました。
無機質な白い空間。
そこに設置された照明機材と、黒光りする業務用のビデオカメラが、冷徹なレンズを私に向けています。
「さて、これが仕上げだ」
鬼灯様がディレクターズチェアに座り、足を組みました。
「明日からお前は市場に出る。客にお前の『性能』を正しく伝えるための、取り扱い説明書が必要だろう?」
「はい、御主人様」
私は頷き、カメラの前の指定された位置に立ちました。
今の私は、一糸まとわぬ全裸です。
身につけているのは、先ほど買い与えられたルブタンのピンヒールと、所有者の証であるアクセサリーだけ。
首には黒革の首輪。
乳首には深紅のルビーが揺れるピアス。
左手の薬指には、重たい鉄の指輪。
そして太腿の内側には、赤く腫れたばかりの『椿と鬼』の刻印。
「ポーズを取れ。自分の一番淫らな穴が見えるようにな」
命令に従い、私はカメラに向かって深く腰を落としました。
M字に開脚し、上半身を捻ってレンズを見つめる屈辱的なポーズ。
見せつけた太腿の椿が、照明を浴びて艶めかしく主張しています。
「回すぞ。自分のスペックを自分の口で客に説明しろ」
録画ランプが赤く点灯しました。
私はカメラのレンズを、まだ見ぬ数多の「ブリーダー(飼い主)」様たちだと思い込み、媚びるような上目遣いで唇を開きました。
黒革の首輪にそっと手を触れ、さりげなく存在を強調します。
「……はじめまして、動物愛好家の皆様。……製品名は、M-009(エム・ゼロゼロナイン)と申します」
自分の名前を捨て、無機質なコードネームを名乗る。
その瞬間に、人間としての私が死に、商品としての私が産声を上げました。
「……製造年数は27年ですが、中身は開発されたばかりの『新製品』です」
震える指で、自慢の胸を深紅のルビー付ピアスをアピールするように揉みしだきながら続けます。
「……チャームポイントは、母乳が出そうなほど柔らかな乳房と……どんな巨根でも根元まで飲み込む、開発済みの安産型骨盤です」
そして、私は鉄の指輪を嵌めた指で秘所を押し広げ、カメラに向けて中を見せつけました。
「……特技は……殿方の命令なら、どんな恥ずかしいことでも悦んでしまうこと……そして」
ゴクリ、と唾を飲み込み、欲望に濡れた瞳でレンズを射抜きます。
「……注がれた熱い餌《ザーメン》を、一滴残らず搾り取ることです。……私のお腹はいつも空いています。どうか、熱い餌《ザーメン》をたっぷりと注いでください……」
「カット……悪くない」
鬼灯様が立ち上がり、カメラの前へ歩いてきました。
「だが、口だけなら誰でも言える。実演が必要だな」
鬼灯様は無造作に私の口へ指をねじ込み、かき回しました。
そして唾液で濡れた指を、そのまま私のあられもない秘所へと突き立てたのです。
「ひぁっ……!?」
「見ろ、この食いつきを。指一本でこの有様だ」
カメラのズームが寄ります。
私の意思とは無関係に、膣口がヒクヒクと収縮し、鬼灯様の指を貪るように吸い付いている様が、高画質で記録されていきました。
【Product Specification:M-009】
▼基本スペック
商品コード: M-009
ランク: Ultimate Premium(究極品)
製造国: 日本
ボディ: 157cm / B93(G) / W58 / H90
特徴: 天然極上乳、安産型骨盤、感度極良好
▼性能評価(Performance)
感度(Sensitivity): SSS(射精感知機能搭載)
奉仕(Service): 特S(絶対服従)
締まり(Grip): SS(自律駆動可)
主食(Main Diet): 精液
▼対応プレイ 奉仕、SM、多人数、長時間耐久、異物挿入
▼ブリーダー(調教師)コメント
「元は不感症のマグロだったが、徹底的な品種改良により、精液を主食とする極上の牝豚に仕上がった。 見てくれは清楚な貴婦人だが、中身は底なしの淫乱だ。 完璧に躾けられている。心ゆくまで使い潰してほしい」
モニターに映し出された自分の「仕様書」を見て、私はうっとりと溜息を漏らしました。
M-009。
それが私の新しい名前。
私はもう、生きる価値のないつまらない女ではありません。
見知らぬ大勢の男たちに性的消費される、高性能な「|性処理専用生体《ラブドール》」として世にその名を知らしめることになったのです。