赤の肖像画

  その夜、優奈はマスターの命に従い都内の閑静な一角にある一軒家へと向かった。初老の画家の枯れた欲望を蘇らせるために昭和の女子大生を演出して。

 体の線を強調する胸元が大きく開いた膝上ミニの光沢のあるピンクのボディコンワンピースに、赤いピンヒールを着用。ワンレングスの黒髪が白い肌と豊かなバストに優雅な対比を生んでいた。首には赤い鍵付きの首輪。右手にはカーマイン色のルビーが煌めく指輪を嵌めている。ボディコンからのぞく生脚の太腿が艶めかしい。その姿は画家の視線を釘付けにした。

 優奈は、墨の匂いが漂う畳の部屋へと通された。画家は老いの寂しさを滲ませながら、優奈の肉欲的な魅力を芸術の被写体として冷静に分析する視線を向けてきた。

「君の本能のままの姿を筆で捉えたい」
 優奈は、上品な笑みを浮かべた。
「はい、先生。この身体はあなたの芸術の素材です。全てをお見せいたします」

 優奈はボディコンのファスナーに指をかけ、優雅に脱ぎ捨てた。薄いレースで肌が透けるバーガンディ色の下着が露わになった。その下着を挑発的な視線を画家に向けながらゆっくりと脱ぎ捨てる。蠱惑的な女子大生の一連の艶めかしい動作は、性的な欲望を失いつつある初老の男の官能を激しく揺さぶった。

 優奈は画家の指示に従い、畳の上に横向きに寝そべり片足の膝を立てる体勢をとらされた。優奈は豊満なバストと丸みを帯びた臀部を最大限に際立たせ、股間を無防備に開いて自身の魅力を見せつけた。

 画家は筆を構え、優奈の肉体を描き始めた。その筆致は力強い。挑発的なクリムゾンの口紅を纏う優奈は優雅に媚態を晒し続けた。

「優奈君。君の経験豊富なオンナの秘所を、その優雅な女子大生の指で弄びなさい。肉の歓喜を私の筆に写し取らせてくれたまえ」

 優奈は命令に従い、真紅のマニキュアで彩られた指先を蜜を滴らせる牝穴へと滑り込ませた。
「っあ、ああぁ! だめ、深く……! 先生、見ていてください……っ!」
 優奈は、豊かなバストを自ら揉みしだきながら、ストレートロングの黒髪を乱し本能のままに喘ぐ。

 自慰を始めた優奈から濃厚な牝の香りが畳の部屋に漂い、画家の枯れたと思っていた下半身を強く刺激した。優奈の秘部から溢れる緋色の熱が画家の欲望を蘇らせていく。
 画家の視線は、もはや優奈の肉体ではなく、蜜で濡れ、快感に震える一点に釘付けになっていた。筆は優奈の淫らな身体の熱に呼応するように、狂おしいほどの速さでキャンバスを塗りつぶしていく。

 画家が最後に筆をキャンバスに叩きつけた瞬間、優奈は畳の上で自らの本能に身を任せ、激しく痙攣した。肉欲の絶叫が部屋に響き渡り、画家の枯れた欲望は優奈の緋色の肉体によって完全に復活した。

 画家は歩み寄って優奈の濡れた裸の身体を抱き起こした。彼の目には若かりし頃の獣のような欲望の炎が宿っている。
「枯れていたと思っていた性欲が蘇ってきたようだ、すまないが初老の私の相手をしてくれないか」
 優奈は、その謙虚で切実な願いに、極上のプロ意識を持って答えた。
「女冥利につきますわ。優奈の身体は、先生の蘇った欲望のためにございます。私の身体を描くだけでなく、その欲望お好きなだけ発散してください」

 優奈は、まず自ら彼の男の象徴を口に受け入れた。経験豊富な舌と喉の技術を駆使し、画家の蘇った欲望を最大限に高めていく。画家の欲望の象徴が鉄の硬さを取り戻すと、優奈は彼を畳の上に押し倒した。
 画家に抱き着き脚を腰に強く絡ませる。黒髪を乱して顔を男の目の前に突きつけ唇を重ねると、自分の中に画家の欲望の塊を導いた。
 優奈は画家の蘇った欲望を自分の経験を駆使して腰をくねらせて接待し、彼の腰を自ら引きよせ最奥まで導くと強烈な膣圧をかけた。

 彼の理性を破壊する快感と優奈の本能的な歓喜が畳の部屋に響き渡る。
「っ、ああぁああ!」
「 もっと! 汚して! この身体は、先生の熱い欲望のために存在するのよ!」

 優奈は、様々な体位と技術で画家の老いた肉体に生命の熱を叩きつけていった。彼女の緋色の肉体が、画家に極上の快楽を与えた。
 画家は、正常位で胸を揉みながら、後背で尻を叩きながら、優奈の牝穴の奥深くに蘇った欲望の証を注ぎ込んだ。優奈もまた、画家の男性としての力強さを蘇らせた自分に酔い、画家の力強い突きで至高の絶頂を味わった。

 激しい合一の後、優奈は訓練された娼婦として汚れた画家のモノを口で丁寧に清めると、そんな行為を知らない清らかな乙女のような上品な笑みを浮かべて彼に尋ねた。
「いかがでしたかしら? 私の身体は先生の欲望を満たせましたでしょうか?」

 画家は優奈の完璧なサービスと蘇った味わった極上の快楽に呆然としていた。
「素晴らしかった……君は、私に命を与えてくれた」
 優奈は深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。とても嬉しい評価ですわ」

 優奈は約束以上の謝礼金を手にしてアトリエを後にした。

 数ヶ月後。優奈のヌード絵画は、『緋色の本能』と題され、国内有数の美術展で権威ある賞を獲得し、飾られていた。

 優奈は人目を忍ぶことなく、その展覧会を訪れた。その絵を見ただけではモデルが優奈であることはわからない。知っているのは画家と優奈だけだった。会場の壁には、若い女が肉欲に溺れる裸の姿が異なる赤色の濃淡で生々しく描き出されていた。優奈は感動で涙を流した。
 ヌード絵画の前でさめざめと泣く魅力的な若い女に、見知らぬ中高年の男女たちが好色な目や冷ややかな好奇の視線を向けてきたが、全く気にならなかった。

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