そんなことがあって迎えた3日(金)からの5回目の週末調教。二人は浴槽に浸かりながら芽美の魅力について意見交換している。主に芽美が自分の考えたことを話し、拓海があいづちを打ちながら自分の意見を伝えている。
「あれから自分の魅力がなんなのか、ナターシャさんのプレイを思い出しながらじっくり考えてみたんですけど」
「おお、いいことじゃないか!それで?」
「結論から言っちゃうと、やっぱりまだ彼女には敵わないな、って」
「おっと、いきなり残念な結論だなぁ」
「そんなことありませんよ、“まだ”敵わないってだけですから。ナターシャさんの有利な視点でばかり比較していた気もします。見えることだけが全てじゃないし、そもそも同じ土俵で戦う必要がなかったりするのかなって。いかに自分の視野が狭かったのかと思います」
「ほぉ~、ずいぶんいろんなことを考えたみたいだね。詳しく聞かせてもらいたいな。まず最初の“まだ”敵わないっていうのはどういう意味?」
「うん。あのときまず第一に思ったのは、ナターシャさんはご主人様のことを、私なんかよりも凄くよくわかってるなってこと」
「ふーん、そんな風に見えたんだ?」
「見えましたよ~、もう。なんか以心伝心ていう感じだし、すごく感じてたじゃないですか~!」
「よく見てたんだな。偉いぞ!」
「そうですっ、もう!・・・それだけじゃなくて、私に比べて凄く大人っぽいとも思ったし」
「それはまあ、そうだな」
「私の知らないテクニックたくさん知ってるし、知ってるテクニックだってナターシャさんのほうが上手だし」
「それはその通りだな。しかし彼女はその道のプロで、お前より遥かに多くの経験を積んでいるんだから当然だろう?」
「そうなんですよ!」
芽美はこぶしを握り締める。手の動きに水面がざばざばと波打った。
「今言ったことはみんな当然のことなんです。ナターシャさんのほうが私よりずっと年上で、ご主人様との付き合いも長くて、エッチの経験も豊富なんですから」
「あのときは、当然だって思えなかったのか?」
「そうなの。あの場所とナターシャさんの雰囲気に圧倒されアウェーの気分でいたからかな?」
「余裕がなかったんだね」
「だって、あそこで働かせられるのかとか、いろいろビビッてたし・・・。帰宅してよく考えたら、これから私がご主人様と長くお付き合いして、経験を積んで、年を重ねていけば自然となくなる格差だってことに気がついたんです。それにお互いのことをより深く知っていく楽しみや、私の初々しいテクニックが上達していく過程を楽しんでいただけるメリットなんかもありますし」
「お前が年をとっていくのを楽しむメリットもあるしな・・・ただ、童顔のお前がナターシャのようにアダルトな魅力をもつようになるとは想像つかないが」
「失礼ですね!私だってあと10年もしたら、スッピンでも大学生に見られるくらいには成長しますよ!」
「ずいぶん自虐的な冗談だな」
「ですね・・・まあ聞いてくださいよ!ナターシャさんに比べて外見や性格が子どもっぽいとか、胸が小さいとか、気持ちよさを我慢できないのは事実かもしれません」
「そこは断定していいんじゃないかな?」
「事実・で・す!でもそれは自分がナターシャさんより劣っているとか、短所とかじゃなくて、『個性』ってことなんじゃないかと」
「ほう?」
「例えば、ナターシャさんにはアイドルのような可愛らしい衣装とかニーハイとか制服とかは似合わないかもしれませんが、私には似合いますし」
「そうだな。温泉旅行のときのワンピースとニーハイ姿はとても可愛かったぞ。お前なら女子高の制服を着ても全然違和感ないだろうな」
「ふふ、ありがとうございます♪今度着てあげますよロリコンご主人様♪」
「俺はロリコンじゃないぞ、個性に合わせた提案をしているだけだ!」
「そうですね。胸が小さいことも、ナターシャさんに比べれば確かに小さいですが・・・」
「ナターシャより胸が大きい女性を捜すのは大変だろうな」
「私ぐらいの身長で彼女と同じくらい大きな胸の女の子がいたとしたら、たぶんその子は十中八九ぽっちゃり体型ですよ、それもかなりの。ご主人様が前におっしゃっていたとおり、トータルバランスが重要なんです。私にはこの大きさが最適なんですよ」
「そのとおりだよメグ!お前にはこれくらいの大きさがピッタリだ。大きすぎるとナターシャみたいに垂れてくるし、乳輪の見た目が悪くなったりするからな。芽美のバストは形も乳首の色も綺麗だ」
拓海はそう言うと芽美の胸に手を伸ばしてやわやわと揉みしだく。
「ああんっ!まだ話は終わってませんから・・・あとでたっぷり揉ませてあげますから、今は我慢してくださいっ、ご主人様!」
「わかったわかった。もうひとつ付け加えるとだな、大きさには身体全体の中での相対的な見え方という要素もあるからな?」
「・・・えっと?ご主人様の説明は回りくどくてわかりにくいですよう・・・」
「例えば、腹回りをビスチェでぎゅっと引き締めて、穴あきブラからバストを突き出すようにすれば大きく見えるってことだよ」
「ああ、そういうことかぁ。たしかにそうですね、でも穴あきブラ・・すごくエッチそう・・・」
「あれ、着けさせたことなかったか?ならあとでつけてみようか?」
「ええ~?まぁご主人様がつけろとおっしゃるなら着けますけどぉ」
「着けてみなさい」
「わかりましたぁ・・・それでもパイズリなんかはできませんけどね」
「そうだな。そのあたりはどう考えるんだ?」
「さっき言った、見えることだけが全てじゃないってことですよ!」
「うん?どういうことかな?」
「あ、ご主人様でもわからないことがあるんですねっ♪」
芽美は嬉しそうだ。
「何でもはわからないぞ、わかることだけ」
「おじさんがアニメキャラのセリフを真似ても気持ち悪いだけですから、止めたほうがいいですよ」
芽美の会心の一撃に拓海おじさんは瀕死の大ダメージを受けたようだ。
「・・・そうだな・・・気をつけよう・・・それで?」
「はい!あのときのナターシャは、彼女が得意なことはやったけれど、苦手なことはやらなかったんじゃないかな、ってことです!」
「ふーん、たとえば?」
「あのときは、道具をつかったり、お尻の穴でセックスしたりはしなかったし、気持ちよさそうに喘いでもエッチなセリフは言わなかったような・・・。体位なんかも、後背位はあまりやらなくて騎乗位にいちばん時間をかけてました」
「彼女は道具を使うことや、アナルセックス、後背位が苦手ってこと?」
「たまたまやらなかったのか、本当に苦手なのかはわかりませんけどね。あくまで例だからいいんです。言いたいのは、私ができることを増やしていけば、パイズリの逆、私にできて彼女にできないこともでてくるだろうな、って」
「鋭いなメグ!実は彼女はアナルセックスが大嫌いなんだよ、昔、無理やり犯られたことがトラウマになってるらしくてな。道具を使われるのも好きじゃないし、後背位よりも自分で好きに快楽を貪れる騎乗位が好きなことも事実だ。いちいちあげないが、苦手なこと、嫌いなことは他にもけっこうあるぞ」
「私がお尻でエッチするのが好きになればナターシャに勝てるってことですねっ!」
「そういうことになるのかもしれないが、最初からお前にはそうなってもらうつもりだからな?」
「はい、がんばります!最後に、私がナターシャみたいに気持ちよさを我慢できなくて、御奉仕がおろそかになっちゃうことだけど」
「ああ、そこは気にすることないぞ。ナターシャは男を気持ちよくするために大金をもらっているがお前はそうじゃないんだからな。むしろお前には、我慢することを忘れてもっともっと気持ちよくなって欲しいくらいだ」
「・・・最近は、すごく気持ちよくなっちゃうと、もう何がなんだかわからなくなって、幼い馬鹿な子どもになっちゃって・・・ご主人様にすごく甘えたくなっちゃうの・・・。でも、ご主人様もそれを楽しんでくださってるみたいだから、それも私の個性だと思って前向きに考えることにしたの!」
「ああ、それでいいぞ。セックスの良さを覚えたばかりなのだから、その気持ちよさを存分に味わってくれ!」
「うん♡」
「というわけで、メグにもいよいよアナルセックスにチャレンジしてもらう時が来たようだな!」
「えっ?まぁ、話の流れ的には、そうですよねぇ・・・」
「無理やりやって嫌いにさせるようなことはないから心配するな!」
「それはご主人様のことですから心配してませんよ、よろしくお願いします♡」
「ああ、任せろ!」
このようなわけで、6月からいよいよ週末調教でアナルセックスの本格的な準備にはいることとなった。芽美は8、15、22の毎週水曜日にオメガへ通って支配人を相手にナターシャのソープ講習を受けるかたわら、3~5(金~日)の週末調教からヴァギナ挿入と同時にアナルの性感を開発され、日常身につけるアナルプラグの大きさが、拓海の男根の太さと同じものに変更された。
水曜日に拓海と自宅で過ごせなくなったのは寂しかった。しかし拓海はオメガに向かう前の芽美のところに突然現れて吉原近くの桜鍋の店で馬肉をご馳走してくれたり、終わった後に自分の車で送ってくれたりと優しかった。
仮免合格後も卒検へむけて教習所に通わなければならなかったし、優斗からは頻繫に相談の電話がきたりした。
またなぜか孝からも懲りずにデートの誘いがきた。今後仕事で関係することもあるかと思うと、そう無碍にもできず、生理で調教のなかった18(土)に教習所のあとで最寄り駅のカフェで軽くお茶をしたりもした。以前の苦い経験から彼の車に乗ったり今の自宅を教えたりはしなかった。
19(日)は頭痛がして1日中ずっと家にいたが、午後には拓海が差し入れのケーキを持って見舞いに来てくれた。エッチなことは何もせずに、芽美が持ち帰って手付かずにいた書類仕事を手伝うと、前も行った近所の蕎麦屋で芽美に夕食を食べさせて帰っていった。
8日に初めてソープ講習に向かうときは本当に気が重かった。しかし、相手役の支配人は拓海から聞いていたとおりのビジネスライクな人物で、余計な口を聞かずに生きた男性人形役に徹したから、気まずさや恥ずかしさを感じることはなかった。ナターシャもまた、プロとしてのプライドからか、ポイントを押さえた指導を実践付きで懇切丁寧でしてくれた。
芽美は男を悦ばせる技術がみるみる上達していくことを実感し、2回目3回目には前向きな気持ちで通うことができた。
もっとも、その変化には、あまりにも憂鬱そうな顔をしていた芽美を元気づけるために、3回の講習をしっかり受けたら、ご褒美に1日たっぷりとデートすることを拓海が約束したことも大きかった。