Discipline3:『セックス合宿』での至福 第3話

 用を足して浴室に入った芽美は拓海と一緒に軽くシャワーを浴びお湯に浸かって温まる。そしてこの間と同じように、拓海によって丁寧に髪と全身を洗われムダ毛処理をほどこされる。年上の男性にとても優しく大事にされて芽美の自尊心は満たされる。

-こんなに優しくしてくれる人が私を傷つけるなんてするはずないわ、そんな風に思ってしまうのは拓海さんの思惑どおりなのかもしれないけれど- 

 拓海によって浴室用の金属製の細い首輪を嵌められ、両手は身体の前で手錠で拘束され先にお湯に浸かっている間、そんなことを考える。

 拓海は自分の体を洗うと浴室を出て青いドリンクの入ったトールグラスを持って戻ってくる。浴室の明かりを消し音楽をかけると、芽美を抱きかかえるような姿勢で入浴。音楽は芽美が拓海に犯されるときにいつも流れているエリック・サティのジムノペディ。

 広いバスタブ内で拓海の胸に背中を預けて脚を伸ばした体勢で、ジャスミンの香りのするお湯に浸かってリラックスしながら芽美はたずねる。

「どうしてこんなことを?私は今更逃げたりしませんよ?」
「このようが奴隷らしいと思ってな。お前も俺に飼われている気分になれて盛り上がるだろう?」

 拓海はそう言って、首輪に付いているハート型のプレートをはずすと芽美に見せる。表には、『マゾ牝奴隷メグ』、裏には『所有者:拓海』と可愛らしい文字で彫ってある。元通りに取り付けると、芽美の反応をうかがうように指で乳首をキュッと摘む。

「あんっ」

 拓海の両手は自分の所有物である芽美の身体を好き勝手にもてあそぶ。髪、唇、胸、乳首、お腹、お尻、股間。合間をぬってドリンクを飲み、口移しで芽美にも飲ませる。氷入りの青いドリンクはライムのカクテルだ。冷たくさっぱりとしていて美味しかったが、強めのお酒が使われているようで芽美は次第に酔いが回ってくる。 

 浴室の窓は南西にあるから、朝方は日光は差し込まない。しかも今日は薄曇の天気で灯りをつけていない浴室内は薄暗い。窓の外は裏通りと公園に面しているが、繁華街の朝はどちらも人の気配に乏しく静かだ。

 そのような気だるい朝の浴室内に淫靡な雰囲気が漂っている。ちゃぷちゃぷという水音に混ざる、「んんんっ」という押し殺した喘ぎ声。
 男に全身をまさぐられ、イヤイヤをするかのように首を左右に動かし手錠に拘束された手を握ったり閉じたりする女。しかし嫌がっているわけではないのだろう、ちょうど唇に伸ばされた男の指を、フェラチオするかのように、ちゅぱちゅぱと舐めしゃぶる。
 顔を見ると気持ちよさそうな表情を浮かべてうっとりとしている。両目は開いているが、男の指の愛撫の快感をむさぼるのに夢中で、性欲に支配されたその瞳はうつろだ。

「返事はどうした?マゾ牝奴隷メグ?」

 芽美ははっとする。拓海さんの言う通りだった。プレート付きの首輪を嵌められ、手錠をかけられた状態で身体を好きなように弄ばれていると、自分が彼の所有物のように感じられ被虐的な気分が高まっていた。指をしゃぶるのも無意識に行なっていたことにもようやく気づく。

 平日の早朝から、ご主人様と二人で入浴して身体を好きなように弄られて感じてしまっている『マゾ牝奴隷』、それがいまのわたしなのね・・・そんな諦念が心に広がり大きな溜息をつく。

「んはぁぁっ~」

「いきなり溜息をついて、どうしたんだい、メグ?」
「これが現実とは思えなくて。なんだか夢の中みたいだなって・・・」

「気持ちが良い夢だろう?」
「うん」

「とっても淫らで?」
「そうね・・・」

「とっても淫らで、気持ちが良くて幸せな夢だね・・・?」
「・・・淫らで・・・気持ちが良い夢だけれど、幸せかどうかは・・・まだわからないわ・・・」

「なら、これから何度も淫らで気持ちよい夢をみて、幸せかどうか確かめてみないといけないね? 」
「うん・・・でも、怖いわ・・・」

「なにが怖いのかな?」
「何度も淫らで気持ちよい夢をみてしまったら、もう現実に戻ってこれなくなっちゃうかもしれないもの」

「戻ってこれなくてもいいじゃないか。夢の世界で、俺のマゾ牝奴隷として俺に犯され、奉仕するだけの生活。何も考えず、悩まず、判断せず、お前の主人である俺に全てを委ねて本能のままに生きる。芽美、それがお前の幸せなんだよ」
 背後から覗き込むように、真剣なまなざしで目を見つめられながら、低く、穏やかで、ゆっくりとした口調で、幼い子どもに言い聞かせるように拓海に断言されると、反論する理屈をとっさに考えつかない芽美は曖昧な返事をして誤魔化すしかなかった。

「そんなの・・・よくわからないわ」
 しかし、そんな芽美に拓海はさらに話を続ける。

「それがわかったとき、その時こそお前が真のマゾ牝奴隷になるときだ。契約や、貞操帯などの拘束具や、妹を助けるためとか、自分を助けてくれた恩返しのため、あるいは望まれるから仕方なく、といった他者依存の理由からではなく。心の奥にくすぶる強いマゾ性癖・牝の本能・奴隷奉仕を喜びとする精神性をあるがままに受け入れ、マゾ牝奴隷として俺に仕えることが己の存在意義だと悟るとき、お前は何事にも左右されない絶対的な隷属の幸福を知るはずだ」

 芽美は自分の未来を予言するかのような拓海のセリフを聞きながら、マゾ牝奴隷であることに心から幸福を感じている未来の自分を思い浮かべ体をブルリと震わせる。しかし沈黙は肯定と思われてしまうことに気づき、はっとして強がりを言う。

「要するに、俺のマゾ牝奴隷として生きることを受け入れろ。そうすればお前はオンリーワンの幸福を手に入れられる、って言いたいのかしら?」
「その通りだ」

「ふふ、なんだか怪しい新興宗教の教祖さまのセリフみたいね?」
 拓海に怒られるかもしれないと思いつつ、冗談めかして挑発してみると、以外にも拓海は動揺し、恥ずかしそうに顔を赤らめる。
「そうか・・・すまん、真面目に言ったのだが・・・そう言われると確かにその通りだな・・・」

 指摘したほうも指摘されたほうも気まずくなって、二人で見つめ合ったまま黙り込んでしまう。芽美の身体を弄る拓海の指も、いつの間にか静止している。なにやら照れくさい雰囲気が漂う。

「・・・ふむ・・・」
そんな静寂を拓海が破り、芽美がそれに追随する。
「ふむ?」

「新興宗教の教祖様としては、そうやって理屈をつけて、若い女信者を好きなように犯したいってことさ!」
「そんなことだろうと思いましたっ!」
「口の減らないマゾ牝奴隷だなっ!そんな口は塞いでやるっ!」
「そんなの卑怯で・・・ムムムッ」

 セリフを拓海の唇でさえぎられる芽美。拓海の指も活動を再開し、芽美の乳房とクリトリスをソフトにかつ入念に愛撫する。消えかかっていた芽美の欲望の灯火は3箇所から燃料を投下され、大きく燃え上がる。お仕置きのような長い口づけのあいだ、芽美は心の中で嬌声を上げながら、拓海のマゾ牝奴隷として生きる自分を妄想し性感を昂ぶらせていた。

「ぷはっ」
 息が続かなくなった芽美は無理やり口を離す。顔をそむけてはぁはぁと呼吸している芽美の耳もとでささやく拓海。
―芽美、お前を俺に心から仕えるマゾ牝奴隷に調教して幸せにしてやるからな―
 返事はない。

 拓海は残っていたカクテルを全部口に含むと、芽美の口に無理やり流し込む。芽美の喉が動くが飲み込みきれない液体が口元から垂れ落ちる。垂れ落ちる液体は拓海の指ですくわれ、芽美の口へと注がれる。

 芽美がその指を従順に舐めしゃぶるのを見届けると、拓海は両手で芽美の形の良い胸をわしづかみにして10本の指全てを使って揉みしだく。芽美の口から熱い吐息が漏れる。拓海の片手が胸から離れ下がっていき、芽美の一番敏感な箇所を探り当てる。

 拓海の中指がクリトリスに当てられ、小さく円を描くようにして軽く刺激を与え続ける。しだいに芽美の吐息が快感の喘ぎ声に変わっていく。拓海の肩を枕に首を預け、身体は完全に脱力し、ぐったりとする。

 拓海は芽美の腰をつかんで引き寄せると、硬くなっている自分の肉棒を芽美の膣穴にゆっくりと挿入する。驚いて一瞬身体を硬くする芽美。しかし膣内は瑞々しく潤っていて拓海の剛直を根元までスムースに受け入れ、肉襞がヒクヒクと蠢き歓迎の意を示す。体内を支配者の剛直に貫かれたマゾ牝奴隷は身体を弛緩させ、屈服の甘い吐息をつく。

 拓海の指は再びクリトリスに当てられ愛撫を再開する。その動きは少しだけ激しくなっている。もう片方の手は、親指と中指でピンと屹立した乳首を摘んだり、つねったり、押しつぶしたり。芽美は突然の性交による官能の高まりに翻弄される。荒い息を吐き、もどかしそうに腰をくねらせる。頃合とみて、拓海は芽美の耳元でささやく。

-マゾ牝奴隷メグ、お前を俺に心から仕えるセックス奴隷に調教して幸せにしてやるからな・・・さあ、ご主人様が悦ぶような返事を聞かせなさい、命令だよ・・・ー

 言い終わると腰を小さく前後左右に動かし奴隷からの返事を膣内の男根で催促する。浴室内の淫靡な雰囲気と酔いと性交の興奮が芽美の理性の壁を打ち破り、とうとう拓海の意に沿う返事をしてしまう。

-はい、わたしを主人様に心から仕えるマゾ牝奴隷に調教して、幸せにしてください・・・そのためなら、どんな激しい調教にも耐えてみせますから・・・-

 セリフが進むにつれて拓海の指の動きが激しくなってくる。私はなんてことを言ってしまったの、そう思った瞬間、クリトリスと乳首がギュッと押し込まれ、その強い刺激が高圧電流のように芽美の全身を貫く。
 これまでに経験したことのない快感が、自ら調教をねだるセリフを口にしてしまったことで解放された強い性欲と結びつき、未経験の悦楽が芽美を翻弄する。
「んんんんっ!」 

 芽美はその激しい悦びを声に出してご主人様に伝えたいが、適切な言葉を見つけることができず、ただ唸ることしかできない。その代わり、乳首が最大限に勃起し、腰を中心に身体全体がビクッ、ビクッと痙攣する。膣壁が射精を促すように激しく蠕動する。
 拓海は肉棒への刺激を楽しみながらも射精をこらえ、腰の動きを止めて芽美が落ち着くのを待つ。待ちながら拓海は思う、芽美は本当に調教しがいのある女だな、と。

 近年、若い女が気楽に自分はMだと言ったりするが、いわばファッション感覚でその言葉を使っていることが多い。そんな女でも調教すればある程度のマゾに仕込むことはできるが、芽美のように潜在的な高いマゾの素質を秘めた女は貴重だった。
 先ほどの返事も、酔った頭で難しいことを考えられるわけもなく、本音を吐露してしまっていることは明らかだった。そして落ち着いてきた今は、恥ずかしげにモジモジしながら、情欲が昂ぶりすぎて潤んだ瞳で何か言いたそうにチラチラと流し目を送ってくる。拓海には、そんな芽美がいじらしく、愛らしく思える。

 一方、芽美は拓海の肩に頭を預けて、軽くイッた身体を落ち着けながら、物思いにふける。
ーあんな恥ずかしいことを言ってしまったのは、長い時間お湯に浸かってのぼせたからなの・・・お酒も飲まされたし・・・それに小さな声だから、拓海さんには聞こえなかったわ、きっと・・・それに突然挿入されて気持ちよくなっちゃったし・・・あれがイクっていう感覚なのかなぁ・・・まだ拓海さんのは硬いまま・・・ご主人様はまだってこと・・・ヤダまた気持ちよくなっちゃいそう・・・でも、どうして私なんだろう・・・もっと他に魅力的な女の子たくさんいるのに・・・やっぱり遊ばれてるのかな・・・ー

 考えすぎてマイナス思考に陥るのは、子どもの頃からの芽美の悪い癖だった。 なにやら元気がなくなってきた芽美の様子をみて怪訝に思う拓海。
「どうしたんだい、メグ?イッて気持ち良くなったみたいに見えたけど、急に元気をなくして・・・突然挿入されてイヤだったのかな?お前があまりにも色っぽいから我慢できなくなってしまって」

-ああ、こんなときでもこの人は私をよくみてくれている・・・それに気もつかってくれてる・・・優しい人なんだわ・・・サディストの変態だけれど・・・そんな拓海さんなら、ちゃんと答えてくれるはず・・・よし、聞いてみよう-
「ううん、違うの。とっても気持ち良かったわ。あれがオーガズム?初めての感覚だった。でも、どうして私なのかなって?私はルックスもスタイルも並みの、かわいくない女なのに」

 拓海は芽美が自信がない女だと知っていた。そういう女がこんな質問をするときは、男に不安を抱いているときで、自分に魅力がある・自分が大切だと言って欲しいのだ。何度も自分を否定したり自分に魅力あるか聞いてきても、うんざりしてこの間も褒めただろう、とか、抱いてやったばかりじゃないか、と決して言ってはいけない。そんなことをしたら二度と心を開いてくれなくなる。

 自信に乏しい女には本人が信じるまで繰り返し何度でも、お前は魅力的だ・大切だと語り続けなければならない。言葉だけではない証拠として何度も抱いてやることも重要だ。そうすると、女は次第に心を開き、信頼し、愛情をよせてきて、男の言うことを何でも受け入れるようになる。

 拓海はいったん肉棒を抜き、芽美の身体の向きを変えると対面座位で再び交わる。手錠で拘束されている両手を首にかけさせ、両脚を腰に絡ませるようにさせ、拓海も両手を芽美の背中に回しているから、密着度は高くお互いの顔もすぐ近くだ。芽美は淫猥な笑顔を浮かべているが、瞳の奥に不安が見え隠れしている。拓海は瞳を覗き込むと、体をゆらゆらと動かして肉壷を刺激しながら、真剣な表情で芽美に訴えかける。

「芽美、俺にとってお前はとても魅力的な女だ。きれいな瞳をしているし、ぽってりとした唇も色っぽい。胸もきれいなお碗型で乳首もきれいなピンク色をしている。適度に肉がついているから、こうしていて抱き心地が良い。お尻は大きめでやわらかいし、むっちりとした太ももには欲望をそそられる。普段はクールな顔と声なのに、セックス中、感じているときは淫らな表情になるのに対して舌足らずのかわいい声になるのも愛らしい。」

「なんか、お前はイヤらしいって言われているような感じで嬉しくありません・・・」
 そんな風に言う芽美だがまんざらでもない顔をしている。照れているだけのようだ。

「セクシーだって言ってるのさ。男も女も異性からみて一番大事な評価ポイントだぞ。それに・・・ 」
「それに?」
「お前は強い性欲を持つ奉仕好きのマゾヒストだ」
「そんな風に言われても喜べませんよ」

 苦笑する芽美を無視して拓海は続ける。
「吉野芽美、俺はそんなお前が大好きだ。サディストの俺ならお前の全てを受け入れられる。もう何度か抱いて、セックスの相性も抜群なことはわかっている。芽美もそう思うだろう?さっきもさっそく軽いオーガズムを迎えていたようだし」

「あれはやっぱりオーガズムだったの?」
「そうだ。細かく言えば膣オーガズムだと思うが。普通まだ2、3回目のセックスで迎えられるものじゃない。クリトリスを刺激しながらだったのと、俺の言葉でマゾ性感が刺激されたからだろうな。それにやはり俺との身体の相性が良いのだろう」

「他の人とじゃイケないってこと・・・?」
「それはわからない。でも孝とはオーガズム以前にセックスできなかったこと、俺とのセックスでオーガズムを迎えられたことは事実だ。これから何度も何度も抱いて、もっと凄いオーガズムを経験させてやろう、そうすれば芽美はますます綺麗になるしな」

「綺麗になるって?」
「充実したセックスは新陳代謝を促し、女性ホルモンの状態を良好に保ち、精神の健康状態を高めるからね。アンアンがよく特集していたじゃないか、『セックスできれいになる』って」

「私、きれいになれるかな?」
「今だって芽美はきれいだし、俺に抱かれることでもっともっときれいになれる」

「私がもっときれいになったら拓海さんは嬉しい?」
「もちろんさ。でも今でさえ芽美の身も心も全てを俺のものにしたくてたまらないのに、もっときれいになったら大変なことになりそうだよ。芽美を監禁して四六時中犯しまくってしまうかもしれないな」

「ふふ、なにを言ってるんですか。今だってほぼそれに近いことしてるくせにぃ?」
「はは、そうだね。なら・・・もの凄いことになる?ってことで」

「もの凄いことになるってなんですかもう。それに疑問系だし」
「もの凄い、っていう表現が適切かわからないほど、もの凄いってことさ」

「はいはい・・・・なら、どんなもの凄いことになるか知りたいから、メグをもっともっときれいにしてくださいませ、拓海ご主人様♡」
「ふふふ、そんな婉曲な表現でセックスをおねだりするなんて、メグは頭がいいね。さっきから腰のあたりがむずむずしていたのは、もっと激しく突いて欲しかったからかな、マゾ牝奴隷の芽美ちゃん?」

「・・・はい、マゾメス奴隷のメグは、ご主人様から、とっても魅力的とか、セクシーとか、大好きだとか、エッチの相性抜群とか、もっと凄いオーガズムを経験させてやるとか、身も心も俺のものにしたいとか言われて、すごく淫らな気分になっちゃいました。初めての体位・・・対面座位っていうんですか、すごく密着度の高いイヤらしい体位で挿入された状態で、そんなことを言われ続けたから、エッチなメグはもう我慢できないの。自分からおねだりするような淫乱な女の子でごめんなさい」

 自分が性的に激しく興奮していることを恥ずかしげに告白し堕ちていく芽美の姿は拓海をひどく興奮させる。芽美は自分の中で拓海のペニスがいっそう存在感を増したのを感じて小さく喘ぐ。

「あんっ」

 拓海は軽く腰を振り芽美の媚肉の快感を愉しみながら話を続ける。芽美は気持ち良さそうな表情で拓海のリズムに合わせて軽く腰を振っている。

「あやまることはない。ご主人様に自分の欲望を赤裸々に告白するのも奴隷の義務だよ。俺も自分の欲望を隠さず話すつもりだ。お互い誤解のないようしっかり意思疎通をはかることが、最高のセックスを交わす条件のひとつだから。今日からの約1週間を『セックス合宿』と位置づけて、芽美には奴隷の礼儀作法を学んでもらうことにする。それにせっかくだから、さっき初体験したオーガズムを、膣でしっかりと迎えられるように繰り返し練習しようじゃないか。」
「かしこまりました、ご主人様。『セックス合宿』ってすごくイヤらしい響き・・・」

「期待してくれてるようで嬉しいよ。でも正式なスタートは、この後ひと眠りしてからになる。今はそのオリエンテーションてところかな」
「想像したら、ますます興奮してきちゃいましたぁ。ご主人様、キスをしてもよろしいでしょうか?」

「よしよし、きちんと伺いをたてて偉いぞ。キスした後、もういちど自分の言葉でご主人様におねだりしてみなさい、ご主人様が喜びそうなフレーズで」
「はい、ご主人様」

 考える時間をかせぐためか、芽美は欲情して蕩けている顔を斜めに近づけ、拓海の口に吸い付いていく。舌を差し入れクチュクチュと音をさせて拓海の口腔内を貪り唾液を送り込む。拓海は芽美の好きなようにさせてやり、芽美の唾液を喉を鳴らして飲み込む。

 30秒ほどで芽美は口を離し、濡れ光る淫靡な唇を拓海の耳に寄せて、恥ずかしそうに赤面しながら可愛らしい声で淫らな誘惑のセリフをささやく。

「拓海ご主人さま、マゾ牝奴隷の芽美は、ご主人様にたくさん褒めていただいてとても嬉しかったの。たくさんの褒め言葉とセックス合宿への期待で盛りのついた牝の身体を対面座位で好きなようにお楽しみいただき、気持ちよく射精してくださいませ」

 芽美がセリフを言い終えると、背中に回されている拓海の両腕の力が強まり、芽美の身体ががっしりと抱きかかえられる。浴槽の水面にさざ波が生じ、それが大きなうねりへと成長していくにつれて、浴室に響く女の嬌声が高まる。しかし、その高まりは一定限度を超えることはない。

「気持ち良いかい、メグ?」
「は、はいっ、気持ち、良いです、ご主人、さまっ。でもっ、今回はっ・・・」
「イケそうもない?」
「・・・残念っ、ですがっ・・・」

「仕方ないさ。刺激が膣内だけで刺激が少ないし、膣内のGスポットも突けてないしね。ならやめにしようか?」
「いいえっ、ご主人様がイクまでっ、続けて、ほしいですっ!メグはっ、さっきイった、からっ。だいじょうぶ、ですっ」
「そうか。でも俺もイケそうもないんだよ」
 それを聞いて芽美は悲しそうな顔をする。

「メグはっ、やっぱりっ、魅力ない、のっ、ですかっ?」
「そんなことはないさ。もうメグにはもう何度も搾り取られているじゃないか。水の中で激しい動きができないから。それに今回はいつもより刺激がちょっと少ないせいだと思うよ」

「じゃあっ、どうしたら、イケますかっ?ごしゅじんさまにっ、イッてもらうことがっ、マゾメスどれいのっ、しあわせなのっ。だからっメグはっ、たくみさんにっ、イッてほしい、のっ」
「そう言ってくれて嬉しいよ、メグ。今のセリフはグッときて思わずイキそうになったから・・・そうだな、できるだけイヤらしく喘いでくれて、タイミングよくグッとくるセリフを言ってくれるといいかもしれない。ついでに言ったあとキスしてくれると確実だろうね」

「わかりましたっ。どんなセリフがっ、いいですかっ?」
「この間のあれがいいかな・・・たしかこんな感じだったはず。」
 そういって拓海は芽美にアレンジを加えたセリフを耳打ちし、芽美が覚えるのを待つ。

「はいっ、だい、じょうぶ、ですっ」
「じゃあ浴槽からあがって洗い場に移動しよう」
 二人は洗い場のマットの上で対面座位の姿勢を取り直す。

「じゃあ再開だ。メグは俺を見つめながら腰を上下に動かしてくれ」
「はい、ご主人様」

 芽美が腰を動かすと、ヌチャヌチャとした淫らな水音が浴室に響き出す。
「アッ、アッ、アッ、アッ」

 最初はわざとらしかった喘ぎ声も、芽美の官能が高まるにつれて次第に情感のこもった本物に変わる。腰の動きが上下にだんだん激しくなるにつれ、ヌチャヌチャとした音がグシュッグシュッという濁った音に変わる。

 グシュッ、グシュッ、グシュッ
 「アンッ、アンッ、アンッ」
 グシュッ、グシュッ、グシュッ、 グシュッ
 「アンッ、アンッ、アンッ、アンッ」
「いいぞ芽美っ!もう少し早くできるかっ?」
「はいっ、ごしゅじんさまっ!」

 ご主人様のリクエストに応えようと、必死に腰を振る情の深い牝奴隷。しかし、それは芽美にとっても快感の高まる動きであり、次第に芽美自身が快楽を貪るためのストロークと化していく。

 グシュ、グシュ、グシュ
「アッ、アッ、アッ、アッ」
 グシュ、グシュ、グシュ
「アッ、アッ、アッ、アッ」
 グシュ、グシュ、グシュ
「アッ、アッ、アッ、アッ、アッ」

 拓海と見つめあうよう命じられたはずの芽美の目はうつろで、瞳にはなにも映っていないようだ。目的を忘れ、ひとりで勝手に快楽の高みに上り詰めようとしていたマゾメスは、ご主人様に尻を平手打ちされ、はっと我にかえる。

「気持ちよさそうだな、メグ?そろそろイカせてもらうぞ!」
「アンッ、ごめん、なさいっ、だいじょうぶっ、ですっ」

「俺をいかせる目的を忘れて快楽を貪る淫乱マゾ牝奴隷吉野芽美っ!どこに出して欲しいっ?!」
「大好きなご主人様っ!ご主人様にイッていただく目的を忘れて快楽を貪っていた淫乱マゾ牝奴隷の中に出してください!遠慮なく溢れるくらい射精してください!わたしの子宮にマゾ牝奴隷の刻印を強く刻んでくださいっ!」

 言い終えると、言いつけどおりご主人様の口にむしゃぶりつく。芽美の腰が下がってくるのに合わせて拓海は腰を突き上げる。同時に芽美の両乳首を摘んで痛みを感じるくらい強く引っ張る。そして命令を下す。
「これでお前も一緒にイクんだ!この淫乱マゾめ!」

 先ほど感じた電流のような刺激が体内を駆け巡り、キスを続ける余裕を失った芽美は湧き上がる快感のままに言葉を紡ぐ。

「はいっ、メグもいっしょにっ、イ・キ・ま・すっ!あああああああああああああッ!」

 芽美の声がスタッカートを刻んだかと思うと、絶叫にかわる。拓海の腰にまわされていた芽美の脚が一瞬ピンと伸び、弛緩してブルブルと震える。

 力の抜けた肉体が後方へ倒れそうになるが拓海の首に回されている手錠で拘束された自分の腕で支えられ、首だけがくっと後方へ大きく反りかえる。

 拓海は両腕を芽美の背中に回し、胸がつぶれるほど強く抱きかかえ、情熱的に唇を奪う。芽美は無我夢中でそのキスに応える。

 膣壁が激しく収縮し、肉襞が蠢動して拓海の膨張しきった硬い男根を奥へ奥へと誘う。拓海はその快感に逆らわず、奴隷の願いどおり、たぎる欲情の白濁液を子宮に向けて遠慮なく吐き出す。

 芽美は奴隷の義務を果たせた悦びで恍惚とした表情を浮かべながら、子宮に注がれるご主人様の激情の奔流を、ビクッ、ビクッと身体をヒクつかせ最後の一滴まで受けとめる。両脚はいつのまにか、再び拓海の腰にしっかりと巻きついている。自分の身体でご主人様にイッてもらえて、同時に自分もイったことで、芽美はこれまでの人生で経験したことのない多幸感を感じていた。

 膣内のペニスが硬さを失うと芽美は顔を離し、初めてのオーガズムの余韻に浸りながら、快楽や恐れや不安や切なさの混じる複雑な表情で拓海を見つめる。

-これがセックスの快楽・・・なんて気持ちが良いのかしら・・・こんな異常な快感を知ってしまったら、もうダメ・・・この気持ちを味わうためなら、なんだってしてしまいそう・・・それを与えてくれるのはこの人・・・・私はこの人に・・・-

 感極まった芽美の瞳から涙がひとしずくこぼれ落ちる。それが歓喜の涙なのか諦念の涙なのか、それとも哀しみの涙なのか、芽美にはわからなかった。
 拓海がそれに気づき、人差し指でそっとすくい取ると、その指をペロリと舐め、芽美を穏やかな視線で見つめながら微笑んで言う。

「大丈夫だよ、芽美。お前を抱くことが俺にとっての幸せだ。だからお前も、なにも考えずに俺に抱かれ続けるんだ。それがお前の幸せなのだから」

 その言葉は芽美の不安を取り除き前向きな気持ちを呼び起こす。

-こんな風に、私の気持ちを察してくれて、安心させてくれる・・・嬉しい・・・この人にならきっと、何をされてもわたしは大丈夫-

「はい、ご主人様。よろしくお願いします」

 芽美は微笑みを浮かべて返事をする。拓海と交わるようになってから、自分の微笑に艶かしさと淫靡さが増し、女からは軽蔑を、男からは性的欲望をかきたてるメスのそれに変わりつつあることに、芽美はまだ気がついてはいない。

「良い返事だ。昨日の件もあるし、今日は天蓋付きベッドで一緒に寝ることにしよう。ぐっすりと、たっぷりと寝て疲れをとりなさい。そして、起きた直後から芽美待望の『セックス合宿』のはじまりだ。これまでとは違った厳しいものになるから、そのつもりでいなさい、マゾ牝奴隷メグ」
 「はい、ご主人様」

 風呂を上がった二人は裸のままベッドルームへ移動し、そのまま身を横たえる。セックスの心地よい疲労感と、拓海に抱きかかえられている安心感が芽美をあっという間に深い眠りに突き落とす。名前を呼んでも軽く揺すっても目覚めないことを確かめると、拓海は芽美を抱きかかえ、起こさないように慎重に監禁調教部屋へと運ぶ。

 首輪を赤く太い皮と金属製のものに付け替え、鎖につなぐと檻のなかに芽美の身体を横たえる。そこに用意されていた小さなガラスボトルから液体を芽美の身体に垂らすと、バストと股間をメインに身体全体に練りこむように肌になじませる。拓海が芽美にあわせて調香したオリジナルの香油だ。

-んふ-

 眠りが浅くなったのか、芽美がジャラリと首輪につながっている鎖をならし、寝返りを打つ。香油から異性を惹きつける麝香(じゃこう)の匂いがムッと広がる。拓海はその様子をしばらくじっと眺め、目覚めないことを確認すると、こんな呟きを残し、静かに部屋を出ていった。

「芽美、あの女にそっくりなお前の全てを奪ってやる。その代わり、お前を幸せにしてやろう・・・俺の性的欲求に応えることに幸せを見出す『マゾ牝奴隷』としてだがな。それが、あの女の代わりにお前を復讐相手とする俺の贖罪だ」

 その時、再度寝返りを打って拓海のほうを向いた芽美の首がうなづくように縦に落ちた。眠っている表情には性的に満ち足りた微笑みが浮かんでいる。しかし拓海はそれを自分の贖罪を受け入れる証として都合よく解釈し、暗い決意を新たにするのだった。

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