Discipline2:躾けられはじめた女 第8話

「あの、お風呂すごくステキでした。マッサージもとっても気持ちよかったです。ありがとうございました」
 寝室への重厚な扉を三分の一ほど開けたものの、中へ入ってこようとせずに、天蓋ベッドの中で待っている拓海に姿を隠したまま話しかける芽美。

「恥ずかしがってないで早く入っておいでマゾ牝奴隷メグ・・・いや今は大好きだったご主人様と結婚して新居で初夜を迎える若妻という設定だったね。さ、早くこっちへおいで。風呂上りの薄着姿でそんな場所にずっと立っていたら湯冷めしてしまうよ」
「はい・・・でも、笑わないでくださいね」

 芽美は、日が落ちてステンドグラスの窓が閉ざされ、間接照明の薄明かりの中でテーブル上のアロマキャンドルに小さな炎が灯されている寝室に静かに入ると、扉をしっかりと閉める。
 イランイランやベルガモットの官能的な香りがほんのりと漂う中、恥らいながら近づいてきてしずしずとベッド内に入り込んできた芽美を見て、裸で先に横になっていた拓海が嬉しそうに賞賛する。
「とっても愛らしくて色っぽいよ、芽美」

 芽美が運ばれた浴室は、清潔で明るく広く機能的で、とても快適だった。浴槽は大人が足を伸ばしてゆったりと浸かれるほど広く、洗い場もまた大人二人が並んで横たわれるくらいの広さがある。シャワー、蛇口、シャンプー類の置き場は南側の上中下段にまとめられている。シャワーホースは室内全体に水をかけられるほどの長さがある。

 壁・天井・床に模様はなく、全てクリーム色の明るいトーンでまとめられている。天井の大きめのライトは今は消えているが、南と西の二つの窓から夕暮れの日差しが差し込み、ピカピカに磨かれている浴槽や洗い場をいっそう輝かせているためとても明るい。浴槽には浸かりながらお湯の温度調節ができるパネルのほか、バブルジェットや水を七色に彩るライトまで付帯していて楽しく入浴できる。

 脱衣所で首輪と手錠をはずされた芽美は、浴室でまず、ローズエッセンシャルオイルとバラの花弁の入ったやや熱めのお湯に、裸になった拓海とともに入浴させられた。身体と室内が温まると、洗い場の座高の高いイスに座らせられて、拓海の手のひらと指によって身体全体を隅々まで丁寧に洗われた。
 お返しに拓海の身体を洗おうとする芽美だったが、なにもしなくていいから気を遣わずにリラックスしていなさいと命じられて、ずっとなすがままにされていた。

 メイクが完全に落とされた素顔を拓海に見られるのは恥ずかしく下を向いていた芽美だが、「恥ずかしがらずに堂々と素顔をご主人様に見せなさい」と命令されて恐る恐る顔を上げたところ、「すっぴんの芽美も可愛いよ」と言われ、お世辞とは思っても嬉しくなって普通に素顔をさらし続けた。実際のところ、芽美の素顔は子どもっぽく色気はないが、リスやハムスター等の小動物のような愛嬌のある顔だちであり、可愛いことには間違いなかった。

 二人で再度薔薇湯に浸かっているとき、これから行なうことになっているセックスの話になった。初めてにこだわる芽美と、もう処女ではないのだからという拓海とで議論になり、折衷案として新婚夫婦の初夜という体裁をとることになってしまったのだ、芽美にはいささか不本意であったが。

 身体が十分に温まると、芽美は洗い場のマットに寝かされ、芽美のためのオリジナルだという香油を使って頭の先からつま先まで入念に揉みほぐされた。休日の夕暮れのまだ明るい時間から、処女を奪われた男と二人で風呂に入り、貴族の令嬢が小姓にされるかのようにボディケアをされることに芽美は激しい性的興奮を喚起された。

 しかし拓海はただひたすら芽美をきれいに磨き上げ、昨晩から今日にわたり無理な姿勢をさせてしまった芽美の肉体を癒すことだけを考えているかのようだった。性的な冗談も飛ばさず、乳首や陰核などの敏感な箇所に触れようとはせず、剃り残した陰毛が無いか股間を目で注意深く眺め手のひらで撫でてチェックするときでさえ、真剣な表情を崩さない。
 そんな拓海に、自分にはやはり性的魅力がないのかと密かに落胆し身体を強張らせる芽美だったが、股間に目をやるとペニスが勃起していることに気づき、チラチラと視線を向けてはニンマリするのだった。

 芽美のボディケアを終えた拓海は、今度は芽美だけを湯に浸からせると、手早く自分の身体を洗い、ナターシャに呼ばれるまで待っているようにと言い残して浴室から出ていった。芽美はナターシャが来るまでのあいだ、拓海という男について思案にふける。 

 だが、拓海に対する自分の気持ちをうまく整理できなかった。客観的にみれば酷いことをされているのは間違いない。けれども、行為に至る雰囲気作りや理由づけ、行為の前や最中だけでなく後にも見せる自分へのこまやかな気配りと優しさ、自分を手に入れるための入念な計画と投資、自分のことを自分自身より理解しているかのような鋭い洞察、自分に与えてくれた性的快楽とこれから与えてくれる快楽への密かな期待。これらすべてが一体となって、芽美が拓海を嫌ったり憎んだりすることを困難にしていた。

 だからと言って、拓海のことが好きかというと、それは違うような気がした。いや、違うのではなく、道徳的に間違っている、理性的な人間が認めてはいけない感情、というほうがより正確だろうか。好きなのは孝さん・・・今はちょっとすれ違ってしまっているだけ。それなのに、私はこの男を拒むことはできそうもない。まさに今、セックスをするのが自然な流れになってしまっているように、これから何度も何度も肌を重ねていくことになるにちがいない。そうやって牝として飼われ、マゾの素質を磨かれ奴隷として尽くす悦びを身につけさせられていくうちに、拓海という男は、好きとか嫌いとかの感情を超越した存在として私の心に君臨してしまうのかもしれない、『ご主人様』として・・・。

 そんなとりとめのないことを考えていると浴室のドアが開いて声が響く。
「ごめんなさい、メグ。待たせてしまったワ」
 ナターシャだ。

「さあさあ、ワタシに任せておけばダイジョウブよ」

 正統派メイド服姿のナターシャは芽美を脱衣所に上げると『初夜』の準備を始める。
 身体をバスタオルで拭き、髪を軽くブローし幼さを演出する『おさげ』の髪型にまとめ、アイシャドーとマスカラで目元を引き立たせ、赤ピンク系のルージュで唇を可愛らしく彩り、甘くセクシーな匂いの香水をくぐらせ、白い可愛い下着を着せ、最後に赤い首輪をつけるとこう言った。

「はい、カンセイ!とってもカワイクてセクシィよメグ!これならボスも気に入るにちがいないワ!終わったら夕飯にしましょうネ」

 この頃には、日は完全に暮れていた。ナターシャは脱衣場の電気を消し、寝室扉の前の小さな灯りだけをともして下の階のダイニングキッチンへ降りていった。 寝室の扉の前に一人取り残された芽美は、今の自分の姿を確かめたくて寝室扉の右側の全身鏡のほうを向く。

 するとそこには、愛くるしくキュートなメイクと髪型をして、純白のシースルーのベビードールとTバック、膝上丈の網ガーターストッキングを身につけた、子供っぽい可愛らしさと清らかさの中に大人っぽいセクシーさが混じったコケテッシュな魅力を放つ見知らぬ女がいた。

―え、誰これ?って私だよね?まるで別人じゃない?!ナターシャさんお化粧上手すぎっ!―
 その姿に満更でもない一方、見慣れない姿に恥ずかしさも感じてしまい、寝室に入るのを躊躇してしまう芽美であった。

「ナターシャさん、お化粧すごく上手ですね」
「ナターシャにとっては、自分が男にいかに良く見られるかは死活問題だからね。常連のお客さんにも飽きられないように、自分が魅力的に見える色々なメイクパターンを研究しているんだよ」

 拓海は天蓋付きベッドの四方の薄い白のレース模様のカーテンを閉めながら、薄い掛け布団に潜って首だけだしている芽美に説明する。

「鏡を見たとき、だれかと思ってびっくりしちゃいました」
「だから言ってるだろう、メグだってしっかり身だしなみを整えれば、とっても魅力的になれるんだよ」

「でも首輪はつけさせるくせに・・・」
「まぁそう言うなよ、メグにとても似合ってるから、どうしても付けて欲しくなるのさ。その可愛らしいベビードールとの組み合わせもぴったりだし」

「こういう可愛い系が趣味なんですか?もっとこう、なんて言うんでしたっけ?ハード系が好きなのかと」
「ボンデージ系のことかな?確かにそういう方が好きではある。でも今回はメグが希望する『初夜』だから、ナターシャと相談してお前の可愛らしさを活かすコーディネートに決めたのさ」

「じゃあ、この香水もナターシャさんのチョイス?」
「そう。YVES SAINT LAURENT のBABY DOLL EDT。恋が適う、結婚できる、っていうジンクスがある伝説の香水らしいね。ファッションにもシチュエーションにもマッチするから、話を聞いてこれしかない!と思った」

「シチュエーションていうと・・・・?」
「マゾとしての素質を見出され『牝』として飼われSMセックス奴隷として調教されているうちに、いつしかご主人様を愛するようになってしまった女。『BABY DOLL 』を香らせて気持ちをアピールしながら懸命に奉仕するけなげなその姿にほだされるご主人様。奴隷妻となって一生仕えなさいという男の命令に、嬉し涙を流す女。結ばれて初夜を迎えたとき、男の前に姿を見せた女が香らせていたのは、二人が結びつくきっかけとなったあの香水だった。感動的な話だね」

 布団の中にすべり込み、芽美を抱きしめながらそんなことを言う拓海に、芽美がしらけた声で言う。
「将来的にそんなことは絶対にあり得ませんし、普通に抱いてくれるっていう約束でしたよね?でもまぁ、お寿司食べさせてくれたし、お風呂で丁寧に身体洗っていただいてマッサージまでしてもらいましたから、譲歩してその設定を受け入れてあげますよ、今回だけ」

「そういうメグが大好きだよ。さ、左手を出して」
 拓海のおべっかを無視して左手薬指に嵌められるステンレス製の指輪について質問する芽美。
「この指輪は結婚指輪ってことですか?拓海さんも嵌めてるの?」
「ご明察。ほら」
 拓海の左手薬指には、芽美のそれを同じような指輪が嵌まっている。

「文字が彫ってあるみたいだけれど・・・・英語じゃなさそう?」
「ロシア語だよ。芽美のほうには、『Вечная секс-рабыня для Такуми』、僕のほうには『Вечный хозяин для Мэгуми』と表裏にわたって彫ってある。ロシア語にしたのは、知っている人が少ないし。文字もかっこいいからね」

「そもそも小さすぎて読めませんけどね。それでどういう意味ですか?」
「『タクミの永遠のセックス奴隷』と『メグミの永遠のご主人様』さ。僕らにピッタリだろ?」
「悪趣味ですね、ほんとに」

 そう言って拗ねてしまった芽美。拓海はあの手この手でなだめすかす。芽美は詳細な状況設定を考えて、小道具でそれを補強してまで自分の欲望に忠実なイメージプレイを愉しもうとするこの男の妄執に凄みと恐れを感じていた。

 同時に、芽美が萎縮してしまってこれからのセックスを愉しむことができなくなってはいけないと気を遣い、拗ねて困らせている自分に対して決して強圧的に接してこないで、あくまで下手にでて機嫌をとってセックスに持ち込もうとする男に、優しさと、いたずらをして怒られたあとに先生の機嫌を伺ってくる保育園のやんちゃな子供と共通する可愛らしさを感じてしまってもいた。

「もういいですよ、許してあげます。拓海さんがあんまり変態さんだから、ちょっと意地悪したくなってしまっただけですから」
「よかった、やっと許してくれたぁ。それじゃあそろそろ?」

「・・・はい、ご主人様・・・」
 芽美はそこでいったん言葉を切って拓海のほうへ身体を向けると、『役』に入り込んでいく。

「マゾ牝奴隷のぶんざいでご主人様に恋をしてしまったいけないメグの願いをかなえてくださってありがとうございます。これからは奴隷妻として毎日ご主人様に御奉仕いたします。でもどうか初夜の今夜だけは、普通の夫と妻として、やさしく抱いてくださいませ」

 拓海の目を覗き込みながら願いを伝え終わると、両方の手を拓海の首に回して自分から口づけをする。拓海は自分の両手を芽美の背中に回し、きつく抱きしめて情熱的に応える。舌が絡み合い、唾液が交わり滴り落ちる熱いベーゼをどちらも終わらせようとしない。
 とうとう息が苦しくなった二人は同じタイミングで口を離す。

「メグ、お前は本当に可愛い女だな」
 はぁはぁと息をつきながら拓海が言う。
「ありがとうございます、ご主人様」
 はぁはぁと息をつきながら芽美が応える。

「いまは『あなた』と呼びなさい。さぁ、そろそろお前の素敵な姿を見せてくれないか?」
「はい、あなた」
 芽美は素直にそう答えると、掛け布団をめくって純白のベビードール姿を恥ずかしげに『夫』にさらす。
「芽美のベビードール姿、いかかですか?」

「清純そうに見えてとっても愛らしいよ。その上に赤い首輪が淫らさのコントラストを醸していてとってもセクシーだ。ほら、そのせいでこんなになってしまったよ」
 そう言って拓海は芽美の手を堅くなったペニスに導く。
「わたしもさっきのキスでこんなになっちゃってます」
 左手に握らされたペニスをやわやわと愛撫しながら、右手で拓海の手をTバックの中に導く芽美。そこはもう温湿地帯と化している。

「芽美はお風呂でチラチラ熱い流し目を送っていたよね、あのときからもうこれが欲しかったんだね?」
「ちがいます。あなたがあんまり冷静だから、自分に魅力がないのかなって不安になっちゃって・・・」
「それは悪かった。でももう安心しただろう?」

 お互いにゆるゆると愛撫を続けながらラブトークを続ける二人。

「はい、あなたのペニス、凄く硬くなって威張ってるもの。私でこんなになってくれて嬉しい。先ばしりの液もたくさん出てきてます」
「メグのここも、蜜がすごくたくさん漏れてきているよ。もう邪魔なものは取ってしまいなさい、お口で可愛がってあげるから」

 拓海は愛撫を中断して、芽美のTバックショーツを脱がせる。そのままクンニリングスに入ろうとすると芽美が恥ずかしげにこんなことを言う。
「今日はあなたにも一緒に気持ちよくなって欲しいんです。だからシックスナインにしましょう」

「シックスナイン?良く知ってるね?やったことあるのかな?」
「知識として知っているだけで経験はないけど、フェラの経験あればできそうだから。ここはメグの『仕事』部屋だしお風呂でのお礼もしたいから。それに『夫婦』なのだから、できるだけ一緒に気持ちよくなりたいわ」
「可愛いことをいうなぁ。うん、一緒に気持ちよくなろう。メグが上に乗る体勢でいいかな?」
「はい、あなた」

 そう言うと芽美は体の上下の向きを変えて拓海を跨いで上に乗り、眼前に屹立する肉棒を舐め始める。舌の感触を感じた拓海も、芽美の秘所に顔をうずめて女唇を舌で愛撫しはじめる。
 

 アロマキャンドルの炎がちろちろと揺れる室内で、淫らな行為に没頭している男女の影が天蓋ベッドのカーテンに映し出されている。
 最初は小さく上下左右に動いていた女の頭が、男が何か一言囁いた後には、ゆっくりと上下に動くようになり、次第に速くなっていく。

 女の腰のほうは、最初は小さく左右に動くだけだったが、やがて何かから逃げるかのように空中に突き出されるようになり、その回数が増えると男の両手によってがっしりと固定されてしまう。そうなると、規則正しく上下動を繰り返していた女の頭の動きが時折止まるようになった。すぐに上下動に戻ろうとするものの、その間隔がだんだんと長くなり、ついに動きが止まって突っ伏してしまった。

 ジュルジュルという音と、アンアンという女の喘ぎ声だけが聞こえる。アロマキャンドルの炎が女の情感に比例するかのごとく燃え上がる。もう、入れて・・・。どうやら女が敗北したようだ。カーテンに写し出される女と男の影の上下の位置が逆になった。

「ごめんなさい、ご主人様。メグばっかり気持ち良くなっちゃって・・・・・」

 白いレースのカーテンに閉ざされた天蓋ベッドの中、純白の白いシーツの中央。赤い首輪と白のグローブと白い網ストッキングを身につけた芽美が、あおむけに横たわり、開いた脚の膝をそれぞれの手で支えて股を開いた恥ずかしい姿勢で拓海の男根を迎え入れようとしていた。おさげの髪が可愛らしいが赤く火照った妖艶な表情はオンナの悦びを知り始めた大人のそれだった。

「いいんだよ、メグ。お前が快楽に負けていく姿が俺を興奮させるんだ。俺のペニスが硬くそそり立ったままなのがわかるだろう?」
 そう言って拓海は芽美の割れ目を肉棒で撫でる。割れ目のほうもしっとりと濡れていて、お互い準備は万端のようだった。
「う、うん、早く入れて欲しい」

「十分に潤っているとはいえ、処女卒業からまだ2日も経っていないし、今回は痛み止めも筋弛緩剤も飲ませていないから、まだまだ痛いかもしれない。痛かったら、『ご主人様大好き』と言いなさい、痛みがやわらぐ魔法の言葉だよ」
「うん、わかったぁ」
「俺に抱きついてキスして気を紛らわせてもいいぞ」
「ううん、最初から最後までしっかり感触を覚えておきたいから」
「わかった、がんばれよ、メグ。さぁ、いくぞ!」
「うん・・・きて・・・マゾ牝奴隷のメグを犯して・・・」

 芽美は自分の膣がミチミチと押し広げられ、堅い棒のようなものがゆっくりと侵入してくるのを感じる。痛さはまったくないわけではないが気にならない水準だ。かといって気持ちが良いわけでもない。ただ、自分はまたこの男に征服されてしまうのだ、そんな風に思われた。

「メグ、大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
 拓海さんは優しい。こんなに気をつかって気持ちが良いのだろうかと芽美は疑問に思って尋ねてみる。

「ご主人様は気持ちいいの?」
「ああ、とても気持ちが良いぞ。なにせ、こんなに可愛い女を自分のマゾ牝奴隷に調教するために犯しているのだからね。そろそろ全部入れるぞ」 

 ああ、また気を遣っている。こんなにのろのろした挿入が気持ちいいはずがないのは、女の芽美にも簡単に想像がついた。だから芽美は、少しでも彼が気持ちよくなればとこう言った。
「ご主人様、大好きです」

「痛かったか、ごめんな。でももう全部入ったから大丈夫だ。しばらくこのままじっとしているから、お前のヴァギナで俺のペニスの形をしっかり覚えこむよう意識してみるんだ」
「はい、ご主人様。もう膝から手を離してもいいですか?疲れちゃいました」
「ああ、もういいぞ」

 膝から手を離した芽美は、両脚を拓海の腰に、両手を首に回す。グッと膣奥に突き入れられるペニスが芽美の隷従心を強め、胸がキュンとして膣壁が一瞬キュッと収縮してペニスを締め付けてしまう。
「ん?」
 しかも拓海に気づかれてしまったようだ。からかわれるかもしれない、芽美はそう思って身構える。

「大丈夫そうだから、そろそろ抜いてみようか」
 だが拓海は芽美の反応に気づかなかったふりをして、肉棒を引き抜く行動に移ってしまう。

「そんなにギュッとされていたら腰を動かせないから、脚をはずしなさい」
 脚を解かれた拓海は芽美を気遣いながらも、ゆっくりとしたピストン運動へと移る。
「だいぶ動いているが、大丈夫か?」

 やっぱり優しい人だわ・・・幾度となくそう感じた芽美の心に、突然、拓海への切なさがこみ上げてくる。私への気遣いはもう十分。だからもうこの人に気持ちよくなって欲しい、そう思ったときには、次の言葉が自然と流れ出ていた。

「ご主人様、なんだか変な気持ちになってきたみたい」
「お、痛みはもうないのか?」
「うん、全然」
「変な気持ちっていうと?」
「んー、ふわふわしているけど時々ビクッってなって、声がでちゃいそうな感じ?」
「おお、それは気持ち良さを感じてきたってことじゃないか?」
「そうなのかな?今だと刺激が弱くてよくわからないな。ご主人様、試しに普通に動いてみてもらえませんか?ご主人様が気持ちいいっで感じられるくらいに」
「馬鹿、さっきも言ったろう?こんないい女を犯せると思うだけで気持ちがいいよ。それはそれとして、メグが気持ちよくなれそうなら、普通にしてみようか?」

 精神面じゃなくて、肉体面でもちゃんと気持ちよくなって欲しいと芽美は思う。だからこう言った。
「うん、きっと気持ちよくなれると思うから。ご主人様の好きなように犯してみて」
「わかった。痛かったらすぐ言うんだぞ。逆に気持ちよければそう言いなさい。どちらにしても言ってくれないとわからないからね」
「はい、ご主人様」

 芽美の返事を受けて拓海は蜜壷を突く速度を少し速める。

「あっ、あっ、あっ、ご主人様っ、なんだかっ、気持ちよくなってきちゃったみたい」
「そうか、こんなに早く感じられるとは、メグには淫乱の気もあるのかもしれないな」
「わたしは淫乱じゃ、ないっ、ですっ。ご主人様はどうですかっ?メグの中、気持ちいいですかっ?」
「ああ、お前の穴は素晴らしいぞ、メグ。新品だから反応が新鮮だし、どうやら穴の太さと長さが俺のペニスとぴったり合うみたいでね。初々しい締まり方もいい。メグはどう?ほんとうに痛くはないんだね?」
「う、うんっ。大丈夫っ。メグもっ、ご主人様に犯されてると、おもうとっ、気持ちがいいのっ」 

 実際は、かなりの痛みを感じていた。しかしご主人様が気持ちよくなっているなら、マゾ牝奴隷としては痛みを我慢していることを気づかれるわけにはいかなかった。そんな芽美にさらに厳しい要望が出される。
「そうか。ならもう少し激しくするよ?」

「あっ、あっ、あっ、どうしてっ、ですかっ?」
 芽美は内心で痛みをこらえているのがばれぬよう、偽の喘ぎ声を上げながら作り笑顔で問い返す。

「お前の膣内があんまり居心地が良すぎて、もうイキたくなってしまったんだよ・・・あっ、でも、これ以上は痛くなっちゃうかな?せっかくメグが気持ちよくなっているのに・・・・このまま続けた方がいい?けっこう長く持つと思うんだ」

ー男の人って、こうなったら止まらないって聞いたけど、この人まだ私に気を遣ってくれてる・・・この痛さがずっと続くのと、痛みが酷くても時間が短いのだったらどっちが楽かな・・・でも短いってどれくらい?ー

「激しくしたらっ、どれくらいでイケそうですかっ?」
「そうだねぇ、10秒くらいでイッてしまうと思うよ」
10秒か、それならすぐだわ。芽美の覚悟は決まった。
「それなら、激しくしてみてっ、くださっていいっ、ですよっ。わたしも、もっとっ、気持ちよくなれるかもっ、しれないからっ」
「ありがとう、メグ。一緒にもっと気持ちよくなろう」

 言い終わると同時に、拓海の挿入に一切の遠慮がなくなった。この週末まで殆ど未開拓だった芽美の処女地に拓海の剛直が突き込まれ、その地を征服するかのような激しい蹂躙が始まった。

「アアアアッ、い、いた・・・イイっ、イイッ、気持ちいいですっ!」
 急に大きくなった鋭い痛みに耐えかねた芽美は小さく悲鳴を上げ、『痛い』と言ってしまいそうになったが、拓海の背中に爪を立ててなんとか耐える。

ーもう少しの辛抱よ、芽美!ー
 グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ、グシャッ。

 しかし芽美の期待に反して拓海が達する気配は全くなく、芽美は拓海に教わった、痛みをこらえるための『魔法の言葉』を唱え出す。
「大好き、大好きっ、ご主人様大好きっ、大好きっ!」
 そう言いながら、再び拓海の背中と腰に手と脚を絡ませ、すがるように拓海の身体を強く挟み込む。

 グシャッ、グシャッ、グシャッ。グシャッ、グシャッ、グシャッ。
 拓海の剛直はいっこうに力強さを失わず、腰の動きはますます激しく暴力的になっていく。

「ウッ・・・ウウッ・・・ウウウッ・・・」
 永遠に続くかのような激しい痛みに、芽美はとうとう、気持ちいい、大好き、等の言葉はもちろん、作り笑顔や偽の喘ぎ声をあげることもできなくなった。苦痛に歪む表情を浮かべ、啜り泣く。

ーもう無理!痛くてもう限界です、ご主人様!ー
 そうギブアップしようとした刹那、拓海のキスで口を塞がれてしまう。痛みから一瞬だけ気をそらされた芽美に拓海がこう声をかける。

「ハッ、ハッ、すごくいいぞメグっ!お前の牝穴は最高だっ!」
 これまでの余裕を失い昂ぶっている言葉と激しい息遣いから、拓海が本気で気持ちよくなっていることに芽美は気づかされる。

ーご主人様、やっと本気で気持ちよくなってくれてるんだ・・・よかった・・・・うれしい・・・・ー
 芽美の瞳から嬉しさの涙が一滴こぼれ、心の奥から肉体的な激しい痛み以上の大きな悦びと満足感が湧き上がる。苦痛に歪んでいた表情にも、苦しみの中に幸せを見出す被虐的な微笑みが混じり出す。そんな芽美を拓海は興奮したふりをしながら、心中では冷静に観察していた。

―芽美、お前は今、俺に快楽を与えるために苦痛に耐える自分に陶酔しているだろう。それがマゾの素質というものだ。自分が肉体的な苦痛に耐えることが仕える男の悦びになることに幸せを感じていく中で、肉体的な苦痛が幸福感と直結し、そのままお前の官能を燃え上がらせるようになる。マゾの素質溢れるお前なら俺に調教されずとも、いずれその被虐の快感に目覚めることは間違いない。だが俺がそのタイミングを早めてやるのだから、せいぜい感謝して仕えることだ。大事に飼って、お前の身体に報酬をたっぷり支払ってやるから。ほら、こんな風になっ!―

「俺の可愛いマゾ牝奴隷メグっ!どこに出して欲しいっ?!」
「はいっ!マゾ牝奴隷の牝穴の中に出してくださいっ!気持ち良くたくさん射精してくださいっ!わたしの子宮にタクミご主人様専用奴隷の刻印を刻んでくださいっ!」

 昨夜の調教で脳に刻み込まれたマゾ牝奴隷の口上を的確な場面でさっそく使いこなしている芽美。しかも『奴隷の刻印』というオリジナルワードをミックスして、ご主人様の興奮をさらに高めるところに、マゾ牝奴隷としての才覚がうかがえる。

 その淫ら極まりないセリフでさらに硬度を増した剛直が芽美の膣の奥深くにググッと突き入れられ、先端から熱い欲望の塊が愛奴の子宮めがけてビュクビュクと熱いマグマのごとく噴出する。

「ああああああああんっ!♥」
 芽美は噴出が続いている間中ずっと、自分の子宮に奴隷の刻印が本当に刻まれているように感じて恍惚とした表情を浮かべながら、陵辱者にぎゅっとしがみつき、天蓋ベッドの中に高らかにマゾの嬌声を響かせ続ける。

 激流がおさまると、拓海にしがみついていた手脚を少しだけ緩める。そして拓海と視線を合わせ、これまでの苦痛を一切忘れたかのように、柔らかな微笑を浮かべる。

 その愛らしさに心を打たれた拓海は、けなげなマゾ牝奴隷を衝動的に強く抱きしめて唇を荒々しく貪る。しかし、はっとしてすぐに口を離すと、表情をとりつくろって終わりの奉仕を命じる。

「終わった後は、お前の可愛らしいお口を使って俺のペニスをきれいにするんだよ、メグ」
「ふふっ・・・はい、ご主人様っ、ふふ、ふふふっ♪」

 衝動的な行動を照れて誤魔化そうとするご主人様に可愛らしさを感じ、初めてのお掃除フェラをたどたどしく行いながらも、こみ上げてくる笑いを抑えきれない明るい牝奴隷。
 その楽しそうな吉野芽美の笑顔の中に、数分前の苦痛の表情はひとかけらも残っていなかった。

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